決算委員会、歳入に対する質疑は以下です。
<主な質問>
□ひとり当たりの所得の増とは、実感を伴っていないが見解は。
□人口予測における本市の人口ピークは何年になるか。
□ふるさと納税による収入減(約2億円)に対し、世田谷区のコミュニティファンドを参考に、税収減に対する対抗手段を講じるべきでは。
□2025年問題を見据え、社会保障費の増について行き過ぎたコスト論に対峙し、社会保障とセーフティネットの充実をはかるべきだと考えるが、見解は。
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決算委員会 歳入
ふるさと納税の影響で本市は約2億円の税収減となりました。
これに対し、各委員からも質疑はありましたが対抗策についてはゼロでした。
そこで私は、世田谷区の「ふるさと納税を世田谷区へ」を例に出し、具体的な検討策を提示しました。
世田谷区の取り組みとは、それぞれ基金を設置して寄付をしてもらうというものです。
現在の全国自治体が競い合う「ふるさと納税」を全否定するわけではありません。ただ、このまま個人住民税の約20%の他自治体への「ふるさと納税」が続くと、大きな影響が出ることが明らかである以上、「ふるさと納税を世田谷区へ」と呼びかけながら受け皿となる基金を、児童養護施設退所者支援奨学基金のように目的・使途が明確な形で提示していくことで、税源流出に歯止めをかけたいと考えています。
(2017.6.6 HUFFPOST 保坂区長)
副市長からは懸念する意見が出ました。これは市民の関心の強いところにしか税金が使われなくなる仕組みであるというものです。
確かに自治体はセーフティネットとして機能すべきところですのでそのご意見もわかります。
実際にアメリカでは富裕層が多い市が独立をしましたよね。
しかし、このふるさと納税の仕組みには疑問を呈したいと思います。
現在も市民の方から市へ寄付をいただく場合がありますが、
ふるさと納税と結びつけることでより実体を明確にし、基金を設置することで一層わかりやすくなると思います。
そして市民の寄付文化を作ること、自分の暮らす町に関心をもつという意味でも
コミュニティファンドというのも一つの検討材料であると考えています。
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【笹岡委員】 御説明ありがとうございました。歳入について伺いたいと思います。
先ほど来、質問等もありましたとおり、この歳入における個人市民税の増において、とても喜ばしいことだと思っておりますし、皆様の担税力に感謝を申し上げるものであります。
ここで、先ほどから、納税義務者がふえていること、及び1人当たりの所得がふえていることというふうな分析がございましたが、
この1人当たりの所得がふえている理由というのを伺いたいなと思っております。
もう1点は、この人口がふえていて、つまりはそのまま納税義務者もふえている、こういったことは非常に喜ばしいことだと思っておりますし、松下市長がおっしゃるように、これからもファミリー層とか、そういった市を支えていくような方々に多く来ていただけるような、あとは住み続けたいと思う方々にきちんと住み続けていただけるようなまちをつくっていきたいということは、本当に大事なことだと思っております。
そこで、東京都の資料を見てみますと、武蔵野市は、ちょっと古いのかもしれないですが、平成37年までに人口のピークを迎えるというようなデータが出ておりまして、近隣で比べますと三鷹市は平成32年に迎えるというようなデータもありまして、武蔵野は杉並や世田谷、豊島などと並び、平成37年ではないかなんというような推測もありましたが、こちらは武蔵野市としてどのように捉えているのか伺いたいと思います。
【福島税務担当部長】 1人当たりの所得が伸びている理由ですが、生活実感として余り給与が上がっていないという実感はあるのかもしれませんが、実質賃金という意味ではなく、給与の実態としては所得は伸びているというのが数値からもあらわれているところです。また営業等所得も同時に、営業所得者の所得も伸びている、それから給与所得も伸びていることから、1人当たり所得が高くなっているということでございます。
【名古屋総合政策部長】 人口のピークでございますが、現在の人口推計によりますと、武蔵野市の推計でいくと平成55年ということになっていますので、東京都よりもさらにもう少し先まで人口は微増の傾向がずっと続いていくだろうというふうに考えております。
【笹岡委員】 やはり人が減っていく自治体というのは未来を捉えにくいというか、そう思っておりますので、やはりここは、そういった人々を支えるような、生活を支えるような施策をどんどん進めていっていただきたいと思います。
ふるさと納税について伺いたいと思います。ふるさと納税について、2億円ほど(減)というようなお話が先ほどからありますが、世田谷区は、ふるさと納税を世田谷区にということで、コミュニティファンド的な考え方です。
基金を8つ設置して、そこに市民の方々の寄付を、思うところに寄付をしていただけるような仕組みづくりということで、ふるさと納税の、本来自治体にあるべきものが他の自治体に流れてしまうといったような、そして返礼品の高額なバトルが続くというような仕組み、問題のある仕組みに対して対抗手段をとっております。調べてみますと、三鷹市も始めているところでございますが、武蔵野市においてこういったことはお考えにならないのか、伺いたいと思います。
【堀井副市長】 世田谷区の事例で、世田谷区はふるさと納税を自分のところ、世田谷区にしてくださいと、結果的には、ふるさと納税を利用すると、本来世田谷区に払う税金が控除される、そういう形式になるわけです。
結果としてどういうことかといいますと、自分の税金の使途を指定できるような制度になっているということになると思います。これがもし全面的に拡大すれば、当然市民の関心の強いところに税金を使ってください、関心の弱いところの税負担はしませんよという話になりますので、大きくなれば、これは制度的に大きな欠陥を持つ制度だというふうに思っております。したがいまして、今現在こういう制度を武蔵野市で積極的にやるという考えは持っておりません。
【笹岡委員】 それも理解できる。しかしながら、現行のふるさと納税の仕組みに対してもやはり問題があると思いますので、先行自治体等の例をしっかりと研究していただきたいと思います。私は導入も可だと思っております。
もう1点は、扶助費の増とか、少子高齢化が進むにおいて、社会保障費がどんどんふえていくことだと思っております。この間の国庫支出金、都支出金においては、審査意見書の12ページ、決算参考資料の34ページなどにもありますけれども、国庫支出金においては平成14年度から増加していると思っております。
これは市民サービスをしっかりとしたものにすることにおいて、やはりしかるべき補助金を持ってくる、ゲットすることは本当に大事なことだと思っておりますが、今後の少子高齢化社会、2025年問題も見据えて、こちらの流れ、歳入の流れはどのようになっていくとお考えか。
これは、消費税の増税、2019年10月でしたか、増税をするというようことも出ており、またそれを社会保障に使っていくというような方針もございますが、そういったところも含めてどのような方向と捉えているか、伺いたいと思います。
【笹井健康福祉部長】 2025年に向けて日本の社会保障制度がどういうふうになっていくかということ、大きなお話でございますが、1つは、現在の社会保障制度が1960年代から1970年代の、日本のいわゆる高度経済成長期に形づくられたものでございまして、現在のような多様なニーズ、複雑なニーズに対応するような社会保障制度になっていないということがあろうかと思います。
例えば個別のリスクに対して、個別の、縦割りの社会保障制度になっています。病気に関しては医療保険、高齢者の生活については年金保険、失業リスクに対して雇用保険、介護リスクに対して介護保険という形になっておりますけれども、こういう縦割りの社会保障制度のあり方で果たして今後、見直さなければいけないということが社会保障制度改革国民会議の報告書で既に触れられているところは御案内のとおりでございます。
その中で、最近言われておりますのは全世代型の社会保障制度への転換ということで、松下市長の言葉をかりれば、子ども子育て応援宣言は、同時に少子高齢化対策にもつながるというふうな形で、財源シフトを行っていくということと、それから縦割りの社会保障制度が乱立しておりますので、そこの横の連携とすき間を埋めるような構造をどうしていくかということが本来あるべきことだろうというふうに思っておりますけれども、しかし、国の財源も一定限界がございますので、社会保障制度の効率化という名のもとでいろいろな改革が矢継ぎ早に今、国から出されてきているところだと思います。
御案内のように、来年度につきましては医療の診療報酬改定と介護保険の介護報酬改定なども、6年ぶりの同時改定ということの中で、縦割りの医療と介護の制度がどのように連携をとりながら報酬設定がされていくかということも大きなことではあると思いますけれども、そういう意味では全世代型への、縦割りではない社会保障制度へ向けて、武蔵野市は、必要に応じて国に情報発信をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
【笹岡委員】 ありがとうございました。今後少子高齢化社会が進んでいくことは、もう明らかであって、その上で社会保障費が増大、民生費等もふえていくことは、マイナスだけではないと思っています。
人々の生活、子どもに関することとか高齢者の方々とか、障害の方々とかの生活を支えていくようなものをしっかりとやっていく、手段をしていくということは、つまりは再生産といいますか、そこでしっかりとまた新たな地域資源が、そこにかかわる人々たちもふえて新たな地域資源が生まれていく、そういったことを、これも一つの理念だと思っています。
なぜこんな話をするかというと、やはりいき過ぎたコスト論に対しては、行政はしっかりと対峙しなければいけないと思っておりますので、コスト論だけではなく、そういった内容ですね、これは本当に社会的に大事なことなのだということを、しっかりと発信していっていただきたいと思います。これは要望いたします。
先ほど私が世代間公平性の話をしまして、そうしたら他の委員が、ほかでは何もしないでいいのですかみたいな流れになったのですけれども、私は全くそうは思っておりません。
次の世代にツケを残さないことは本当に大事なことでありますが、武蔵野市のこの歳入を見てわかるとおり、個人市民税も、その担税力においても、日本においてトップクラスだと思っております。
そうすると求められる行政サービスというのは、やはりそれなりのレベルのものが求められていると思いますし、吉祥寺ブランドというふうにおっしゃいましたけれども、そういった部分もしっかりと考えていかなければいけないことだと思っておりますので、私は先ほどの議論を聞いていて、少し誤解があるのかなと思いましたが、次の世代にツケを残さないためだったらば何もしなくていいのだとか、そういったことは全く思っておりません。
だから、逆に思っていないからこそ、公共施設等総合管理計画の特別委員会では、武蔵野市の整備単価が総務省と違うではないかという議論があったときにも、私は、武蔵野市の整備単価は整備単価で必要なものだと申し上げました。
そして市民文化会館改修やクリーンセンターのことにも触れて、これは評価されるべきことですよねと申し上げたのです。
あと、我が会派は多分、ふるさと歴史館にも反対していないと思います。ですので、そういったことは、必要なことは必要なことであるし、ただし、これは次の世代を心配する母親としての視点であり、脇を締めてしっかりと無駄を排除してやっていきましょうねというようなメッセージであり、武蔵野市はその大きな理念や、子ども子育て応援宣言に代表されるような社会を目指していくのだというメッセージを添えて、武蔵野市のレベルを、しかるべきレベルをしっかりと持っていかなければいけないと思っておりますので、先ほどの誤解があるようでしたので、これは申し上げていきたいと思います。 以上です。