一般質問議事録⑤ 武蔵野らしいこれからの地域包括ケア及び認知症について

一般質問議事録⑤ 武蔵野らしいこれからの地域包括ケア及び認知症について

2023-07-09

任期初めの一般質問は以下の6つの項目を取り上げました。

 子ども子育て分野と、高齢者福祉分野におけるコロナ禍の振り返りと、それらを踏まえた今後の市の取 り組みについて

 保健センターの大規模改修に伴う、これからの子育て世代包括支援センターについて 

 不登校、LDの児童生徒への支援を一層進めていくことについて

 武蔵野らしいこれからの地域包括ケア及び認知症について

 武蔵野市福祉公社等について

 今後立て続けに整備されていく小・中学校の改修改築と、災害時の避難計画について

今回はこの内の、地域包括ケア及び認知症について、を取り上げます。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

今後、団塊の世代が75歳を迎える2025年問題や、これまでのコロナ禍の経緯を踏まえて、年を重ねても安心してその人らしく暮らせるまちをつくっていきたいと考えています。価値観や生き方が時代とともに変わってきている中で、人生100年時代の武蔵野らしい地域包括ケア及び公の在り方について、いま一度考えていく必要があると思っています。
 また、令和5年3月、高齢者の介護予防・日常生活アンケート調査、介護高齢者・家族等介護者実態調査報告書によると、本市の要介護1の方の32.7%、要介護2の26.0%、要介護3の27.3%の方々が独居老人であり、2025年からの山場と言える時期をどのように乗り越えていくのか。老老介護問題、ダブルケア・トリプルケア問題なども対策が必要だと考えています。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

そこで伺います。
 テンミリオンハウス、いきいきサロンなどの取組を評価いたします。自分の足で通える比較的元気な高齢の方々から要支援・要介護の高齢の方々まで、居場所の多様化が必要だと考えています。市のお考えと課題と展望を伺います。
 認知症の数の推移について伺います。世田谷区は令和2年、世田谷区認知症とともに生きる希望条例を制定いたしました。本市も認知症の方々の意思と権利を尊重する一層の取組が必要だと考えますが、市のお考えを伺いたいと思います。
 本市の認知症見守り支援ヘルパーについて、こちらの導入時の理念や趣旨は大変すばらしく、本市らしい取組だと考えています。この課題と今後の展開について伺いたいと思います。
 訪問介護について。介護福祉人材の人材育成と確保、持続可能な働き方について、課題があると考えていますが、対策を含めた市の考えを伺いたいと思います。
 なかなか実態が見えてこないダブルケア・トリプルケアの実態把握について進めていくべきだと思いますが、市のお考えを伺います。

 

松下市長
松下市長

現在、武蔵野市では、平成12年から住民主体の活動であるテンミリオンハウスを、また、平成27年からはいきいきサロンを行っています。
また、各在宅介護・地域包括支援センターの生活支援コーディネーターは、地域の団体や市民が自主的に活動している居場所やラジオ体操、認知症カフェなどの活動を支援しているところです。
今後のさらなる高齢者人口の増加や、団塊世代の多様化する価値観に対応するためには、住民主体の活動とともに、民間企業やNPOとも連携をし、現在実施している高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画専門部会で論点として提示し、御議論をいただくこととしております。

 ②についてです。市内の認知症の方の数につきましては、令和4年7月1日現在で4,400人です。65歳以上高齢者人口に占める割合は、令和3年度の12.7%から、令和4年度は13.4%と増加をしています。認知症は誰もがなり得るものであり、認知症の方の意思と権利を尊重し、地域で安心して暮らし続けることができるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 ③についてです。平成30年に国が訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等についての通知の一部改正を行い、自立生活支援のための見守り的援助の明確化がなされました。そのため、認知症高齢者見守り支援事業の対象であった介護保険の対象にならない支援だったものが、一部介護保険制度で認められるようになり、利用者数が減少しました。しかしながら、認知症高齢者の数は増加傾向にあり、今後も認知症高齢者見守り支援事業の対象となる支援の必要性はあると考えており、認知症の方の生活の質の向上を図り、介護する家族の身体的・精神的な負担を軽減するためにも、本事業を通して、よりよい支援となるよう取り組んでまいります。

 ④についてです。訪問介護員は登録ヘルパーとして時給制で雇用されることが多く、自由な働き方ができる一方で、移動時間が忙しい、利用者都合によるキャンセルなど、収入が安定しない、直行直帰で効率的だが仕事の相談をしにくいなどのデメリットもございます。訪問介護員として働く方の年齢や目的により、登録ヘルパーや介護福祉士などの資格を取得して、サービス提供責任者になるなどの選択肢を示し、マッチングをすることが必要と考えております。
域包括ケア人材育成センターでは、介護職としての資格を持っていない方の人材養成事業や、体系的なスキルアップ研修と、仕事をしている上での悩み相談などの研修・相談事業などを実施しており、今後も福祉人材の確保・育成に取り組んでまいります

 ⑤についてです。高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画策定のための調査である要介護高齢者・家族等介護者実態調査では、主な介護者のうち、複数人の家族・親族のケアをしている人は半数以上でありました。
ダブルケア・トリプルケアは、介護する高齢者が複数人いる場合や、子育てと介護など、介護する対象者の違いや、介護者の年齢や就労の有無、家族関係などによりニーズは違い、現状は個別に対応している状況であり、実態把握については、専門部会での論点として提示を行っております。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

<再質問>
認知症の見守り支援ヘルパーについて伺いたいと思います。
この認知症見守り支援ヘルパーというのは、導入時は、認知症でもその人らしく、それまでに好きだったことが続けられたりといった理念があるものです。
私はそれを聞いてすごく感動しました。
人権を大切に、その人の人生に寄り添う、そんな姿勢を感じたためです。
しかし、実際は手続的にも使いにくいところがあるというふうに聞いております。
ここの部分をどんどん、必要な方に届くように、より使いやすくなるように、プランに入れやすくなるように周知をしていただいて、アンマッチが起こらないようにしていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

 ダブルケアの実態調査については、進めていくのだろうなと思って聞いておりました。1つダブルケアの当事者としてお願いがあるのが、欲しい情報をスマホで調べられるように、情報発信に工夫をしていただきたいということです。
毎回毎回ケアマネさんをすぐに捕まえたりとか、そういったことはやはりしかねるのです、お忙しいし。
なので、働きながらでも、子育てをしながらでも欲しい情報が手に入るような、そういった情報発信の工夫をしていただきたいと思います。それがダブルケア支援にもつながっていくと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

松下市長
松下市長

認知症の見守りヘルパーについての課題についてです。
周知というのはとても大事だと思っております。この認知症高齢者見守り支援事業は、平成20年7月に開始をしております。
日常生活を営むのに支障がある認知症高齢者に対して、実際に介護保険の対象にはならないような見守り、話し相手、散歩の付添い等の支援を行うものでありますので、その事業を周知し、使いやすいようにという御趣旨での御質問かと思います。
実際に、認知症高齢者の数は増加傾向にありますので、寄り添った、よりよい支援となるように取り組んでまいりたいと思います。

 そして最後は、ダブルケアに関しての欲しい情報をスマホでキャッチできるような情報発信の工夫という形で御質問がございました。
この間、様々市政情報の発信などには、LINE等も通じて情報発信ができるような取組を順に行っているところでございます。実際に、ダブルケア・トリプルケア世代の方々がスマホ、LINE等を通じて情報受け取ることができるように、今後しっかりと研究をしていきたいと考えております。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

これからの地域包括ケアについて最後にお話ししたいと思います。
年を取って、施設なのか、在宅なのかということがやはり出てくると思っています。
そして、人生100年時代の価値観の違いという部分は結構大きなものがあると思っていて、今、高齢の方の独居も申し上げたように多いですし、老々で、御夫婦で暮らしている方も多い。
そういった中で、みんながみんな施設に入るわけではなく、今、現に在宅でやっていらっしゃる方も多いわけであって、そこでやはり伺うのは、子どもたちになるべく迷惑をかけたくないのだというふうな声をよく伺います。
排泄の問題があるのですけれども、なるべく在宅でもいけるような、そんな選択肢のバリエーションをよりこれから考えていく、この10年間対応できるように考えていくべきなのかなと感じています。
そのためには、訪問介護もそうですし、ショートステイの充実もそうですし、デイサービスのバリエーション、これは先ほど市長もおっしゃったように、民間と一緒になっていろいろなこと頑張っていくということだと思うのですけれども、いろいろな場が、例えば男性の比較的元気な方が行くデイは、ではどのぐらいあるかとか、いきいきサロンとかは行けないけれども、そういった方が行く場とかも考えていくべきだと思っています。

 先日、そ~らの家に行ったところ、コロナ禍で半分ぐらいの方が入れ替わったとおっしゃっていました。
その半分いなくなった方はどうしたのですかと言ったら、固定電話が詐欺対策で通じないから後を追えないのだというふうにおっしゃっていて、やはりこのコロナ禍のこの何年間ですか、の中で、歩いていくことができなくなって一つ進んだ方がたくさんいると思っています。
そういった中で、在宅でのちょっとしたヘルプをどのように支援していくのか、ごみ出しもそうですけれども、そういったことを考えていくべきなのかなと思っています。ここの部分について、その声に応えられるような工夫と人材とか働き方について、一層進めていただきたいと思いますが、もう一度お考えを伺いたいと思います。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

私の思いとしては、現場に余白と自由があってほしいなと思っています。
子どもから大人まで、何かのプロジェクトがきちきちではなくて、その現場の方々が、ある程度動きやすいようにやっていただきたい、そういった制度設計をこれからいろいろな部分でつくっていただきたいと思っています。

 そして、人を支える人に対する人材に対するお金をきちんとかけること。そして、持続可能な働き方になるように支援をしていく公の体制づくりというのが必要だと思っていますので、そこにお考えがあれば、お答えがあれば伺いたいと思っています。 

そして、学習障害のお話や認知症のお話もさせていただきましたが、一人一人の方々の特性がそのままで安心して暮らせるような武蔵野市をこれからつくっていっていただきたいと思っています。
公共施設の再編もそうですけれども、そういった場づくりとか機会づくり居場所づくり、そういった部分も力を入れていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

松下市長
松下市長

様々御要望も含めて御質問いただきました。やはり大切なのは、一人一人が尊厳を持って生きられる、一人一人が尊厳ある生を全うできるように、支えていく仕組みが大切であり、その仕組みというのは、市だけではなく、財援団体や民間事業者も含めて共同で取り組んでいかなければならないという認識を持っております。

ただいまちょうど様々な計画の策定期でございますので、そうした計画づくりの中に、この3年半のコロナ禍の経験や体験も踏まえて御議論をいただいて、よりよい計画づくりをしていきたいと思っております。

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