2023年9月議会での一般質問は、
『子育てと介護等の視点からの防災対策と、武蔵野市が誇る学校給食について』を
テーマに質問しました。
今回はこのうちの、❶子育ての視点からの防災対策について(2)
の議事録をまとめます。
一括質問をしていますが、わかりにくいので一問一答式で記述します。
⑥東日本大震災のとき、帰宅困難者が大量に発生しました。
東京都帰宅困難者対策条例において、一斉帰宅抑制とともに、各事業者に
従業員向けに3日分の備蓄に努めるように呼びかけをしています。
近年増えている共働きの親が数日間地元に帰ってこられないことも
予想されますが、その間の子どもの安全対策について伺います。
(ア)保育所に通う子ども、幼稚園に通う子ども、その他の子どもの数を伺います。
(イ)幼稚園も早朝から夕方まで預かり保育を始めているため、共働き家庭も増加しています。幼稚園の対策について、市の関与を増やすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
(ウ)学童に通っている子どもが下校中に発災した際は学童に戻っていいのかなど、学童での対応を伺います。
(エ)学童に通っていない小学生が親が留守の間に発災したときの不安の声を本当によく伺います。対応について、市の見解を伺います。
(オ)市内の放課後等デイサービス事業者において発災した場合の対策についてはどのように市が関与しているのか、伺います。
⑥の(ア)についてです。
本年5月1日時点で、保育園に通う児童は3,222名、幼稚園に通う児童は1,541名、
その他の施設に通う児童と未就園の児童は1,782名です。
次に、⑥の(イ)については、幼稚園では保護者の就労に伴う預かり保育の利用が
増えており、災害時には保育園と同様の対応が必要になることも想定されることから、
今後も、園長会等を通して、各園とともに検討し、必要な体制づくりを進めていきたい
と考えております。
⑥の(ウ)についてです。学童では、保護者から児童調査票を提出して
いただいています。
その記載項目の中に緊急時対応の欄があり、降所後に災害が発生した場合、
その児童が学童に戻るか、自宅に帰るかをあらかじめ決めていただいています。
降所後に発災した際、学童に戻ってきた児童は、児童調査票に記載のある
緊急引取り者に引き渡すまで、学童にて待機をすることとしています。
⑥の(エ)についてです。まずは日頃から各家庭で発災したときには
どうするか話し合っておくことが大切だと考えています。
市としても、様々な機会や広報ツールを活用して、防災情報が分かりやすく
市民に伝わるよう努めてまいります。
⑥の(オ)についてです。
放課後等デイサービス事業所については、国や東京都が定める人員や
設備等の基準を満たした事業者により、子どもの安全を第一に事業運営が
なされているものと認識をしています。
自然災害を含め、万が一事故が発生した場合には、利用者や職員の安全確保や
施設運営継続等の対応を優先した上で、東京都への報告に加え、市町村へも
連絡することになっています。
放課後等デイサービス事業者連絡会などを活用し、防災に関する
情報交換会等を行っていきたいと考えています。
私からは、まず、発災時の、学童に通っていない小学生への対応についてお答え
いたします。
在校時間中は、震度5弱以上の地震が発生した場合、学童に通う子もそれ以外の子も
基本的に保護者による引取りをお願いしており、安全、確実にお子さんを引き渡せる
よう、各校で保護者等による引取り訓練を行っているところです。
登下校中に同規模の地震が起きた場合には、教員による児童の安否確認や通学路の
安全確認を行い、学校に集めた後に保護者への引渡しを行うことを想定しております。
また、地震の規模によっては集団下校などが考えられるほか、学校によっては、
連絡がつかない御家庭はお迎えが来るまで学校でお預かりしますなど、
保護者向けマニュアルに明記している学校もあります。
いずれにしても、災害状況に応じて臨機応変な対応が求められることから、
各学校が保護者へメール配信を活用し、情報共有を行える環境を整え、
保護者の不安に対応できるよう支援をしているところです。
⑦障がい児は市外の病院や学校に通っていることも多く、地域とのつながりが
薄いことが心配だという声をよく伺っています。
地域で子どもを育てる視点からも、防災の観点からも、日頃のつながり構築を
一層推進していくべきだと考えていますが、市のお考えを伺います。
⑦についてです。障がいのある方が住み慣れた地域で生活を続けるためには、
地域の理解が大切だと考えています。
心のバリアフリー啓発事業などを通じて、障害のある方への理解を進めるとともに、
あったかまつりなどのイベントなども通じて交流を図るなど、
地域共生社会の実現を目指してまいります。
<再質問>
ちょっと教育長に伺いたいのですけれども、⑦の障害児のお話です。
市外の病院や学校に通っていることが多くて、なかなか地域とつながりが
持てていないのだということで、あったかまつりの例が出されましたが、
防災力というのはやはりコミュニティの力と相関関係にあると思っていますので、
お母様方から、副籍交流をどんどんやっていただきたいという声が出ていますので、
こちらは顔が見える関係をつくるということですごく有効だと思いますが、
いかがでしょうか。
ここを教育長に伺いたいと思います。
副籍交流についての御質問です。
現在も特別支援学校との副籍交流は行っておりますが、主体としては、
やはり授業であるとか学校行事などの教育課程であるとか、教育活動の中でのものが
主体ですので、そういった防災の観点から、どのようなものが行われるのか、
もう少し考えて進めていきたいと考えております。
日常生活の延長線上の防災ということで、副籍交流のお話を取り上げさせて
いただきました。
地道に進めていただきたいと思っています。
⑪武蔵野市地域防災計画には、自宅での生活を継続できる地域の仕組みの推進において、ひとり暮らし高齢者などに対する避難所からの水・食料などの提供支援について、
「地域ボランティア、中学生、高校生などの活用を検討する。
児童生徒の学年に応じ、防災ボランティア活動について普及啓発を推進する。
武蔵野消防署は、小学生には救命入門コース、中学生及び高校生には
普通救命講習の受講を推奨する」
とあります。
しかし、東日本大震災を調査した平成25年の文部科学省「非常災害時の
子どもの心のケアに関する調査報告書」では、PTSDへの注意喚起がされています。
PTSDが疑われる症状は、幼稚園では20.2%、小学校では17.6%、中学校では11.5%、高校では8.8%、特別支援学校では20.5%という結果が出ています。
小学校においては、元気がなくなったりするだけではなく、テンションが高い状態が続いたり、
中高生においては、避難所運営や復興ボランティアとして関わり、自分がみんなの役に立てると頑張り過ぎてしまい、限界を超えて突然バーンアウトすることがあるといいます。
そして、高校生においては、PTSDの症状に苦しんでいても、学校や外ではそれを出さず、相談しないまま1人で抱え込んでいることがあると報告されています。
このように、人員としてどう動員するかよりも、子どもたちのPTSDを防止する
ために心のケアについての取組を進めていただきたいと考えますが、
市のお考えを伺います。
子どもたちのPTSDを防止するための心のケアの取組についての御質問です。
笹岡議員の御指摘のとおり、中学生にも避難所運営等に協力を依頼する場合が想定され、その際、指示を出す大人が子どもの心理状態や心身の負担を考慮することは重要です。
令和4年度に武蔵野市地域防災計画を改定して、学校教職員が避難所開設・運営に
関わることを明記しました。
このことによって、中学生が避難所運営に携わる際には、学校教職員が
子どもたちの様子を伺いながら心理的なケアを必要に応じて行えるものと考えて
おります。
東日本大震災において、スクールカウンセラーが被災地において素早く対応に入った
事例があると聞いており、担任だけでなく、スクールカウンセラーなどと連携した
組織的な対応も重要であると考えます。
また、教育支援センター所属の教育相談員も、関係者と連携し、避難所や学校において相談支援を行います。
動画はこちら。