令和6年度決算 「保健医療」分野質疑まとめ①「保健所の市町村連携課の取り組み・梅毒など性感染症について」

令和6年度決算 「保健医療」分野質疑まとめ①「保健所の市町村連携課の取り組み・梅毒など性感染症について」

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

都内の特別区は保健所を設置していますが、多摩地域のほとんどの市は自前の保健所を持たず、市が都の保健所を設置しています。
多摩府中保健所は、北多摩南部医療圏に位置する6市(武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・小金井市・狛江市)という広いエリアを所管区域として管轄しています。区域人口は100万人を超えます。
先日、多摩府中保健所に伺いました。
コロナ禍において、都保健所と市町村との間で情報共有・指揮・連携不足等の課題が浮き彫りになりました。
それらの総括から、令和6年度に新設された市町村連携課の取組状況と評価について伺います。

「北多摩南部保健医療圏の現況」
地域保健担当部長
地域保健担当部長

多摩地域の都保健所では、令和6年4月に市町村連携課を新設し、市町村ごとの専任の担当職員等を配置するなど組織人員体制を拡充しています。

市町村連携課では、市町村等との顔の見える関係を強化し、地域保健サービスの推進や災害対策の強化に取り組む市町村を支援しています。
また、市町村からの要望等を踏まえ、都保健所と市町村の保健師の人事交流を実施しています。
これらの取組を通じて、市町村との連携を強化しています。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

市町村連携課の取組について確認できました。
保健所の増設の必要性はその所管区域人口の多さを考えると、根強い声がありますのでこれはしっかりとお伝えしておきます。
しかし、はじまった市町村連携課の顔を見える関係に期待しています。
専門性を活かした広域の拠点としての一層の体制強化と、密な市町村連携をお願いします。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

次に、都保健所が行う精神障害者や、精神保健に関する課題を抱える方への支援について、取組状況をうかがいます。

地域保健担当部長
地域保健担当部長

地域における精神保健福祉相談に関しては、市町村が一般的な相談、保健所が専門的な相談に対応しています。
都保健所では、複雑・困難事例について市町村の要請に応じて、家庭訪問への同行や、事例検討会における助言等を行っています。
あわせて、市町村職員が精神保健に関する専門知識を得られるよう、講演会等も開催しています。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

専門的かつ複雑、困難な事例について都保健所も対応していることができました。私も現場でその職員の方々の姿を拝見し、大変大切な役割を担ってくださっていると感じました。
市町村の規模や資源によって、ばらつきが生じることのないように、包括的な支援をお願いいたします。精神障がいの有無に関わらず、誰もが安心して暮らすことの出来るよう、圏域での連携と協働を求めます。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

2024年、梅毒の大流行は「50年に一度」とも言われる規模でした。
先日、多摩府中保健所に伺った時、プライバシーに配慮された診察室にて梅毒の匿名無料検査や相談をしていると聞きました。
現況と課題、都の取組について伺います。

多摩府中保健所にて

都の令和6年の梅毒報告数は3,760件と4年連続で過去最多を更新ました。早期発見・早期治療のための検査の受検促進や普及啓発が課題となっています。

梅毒の感染拡大を受け、令和6年度は都の保健所及び検査のWEB予約を一元化し、都民の利便性を向上させました。また、検査・相談室の開設時間を延長するとともに、女性専用の検査日を設け検査体制を強化しています。
あわせて大学、専門学校、地域イベント等での啓発資材を配布するほか、味の素スタジアムやSNSでの動画配信するなど、若年層に向けた普及啓発を実施しています。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

男性は20代〜50代とは幅広い年代で、女性は特に20代が多いとも言われています。
妊娠中に感染すると胎児が「先天梅毒」に感染してしまうこともあります。
性的接触で感染しますが、痛みが少なかったり、自然に症状が消えることもあり、本人が気づかずに感染を広げる可能性があります。梅毒再流行を前提とした体制が必要だと思います。
性感染症全体について啓発活動などの取組を伺います。

性感染症は性的接触により誰もが感染可能性がありますが、早期発見・早期治療により治癒可能です。
性感染症に関する正しい知識を知って予防し、不安があれば早期の検査・受診が重要です。
都は予防啓発の取り組みとして、Webサイト「東京都性感染症ナビ」で正しい知識や無料検査などの情報を提供するとともに、「性感染症(STI)ってどんな病気?」という冊子を作成し、保健所、都立高校等で配布しています。

笹岡ゆうこ
笹岡ゆうこ

性感染症の啓発は「届きにくさ」が課題です。都立高校等でも配布されていること、良い取り組みだと思います。多分野・多機関で一層の連携を求めます。