平成30年9月議会において「子どもの最善の利益を考慮する施策の推進について」を質問しました。
質問項目
①熱中症対策について
・屋外活動、水筒の持参、いっとき避暑地、公共施設での給水整備など
②プール授業時の紫外線対策
・ラッシュガードの着用、日焼け止め、見学時の水分補給など
③ユニバーサルデザインチョークの導入について
④通学路における受動喫煙防止について
⑤発達障がい児の支援等について
・教育・福祉・子育ての課を超えた庁内連携について、ワンストップサービス、ペアレント・メンター)など
⑥不登校の児童生徒への支援について
⑦子どもの最善の利益を考慮する施策の推進について
このうち、子どもたちへの熱中症対策について、質疑と答弁を載せます。
——-議事録そのまま——-
- 熱中症対策について
(中略)
平成30年7月23日付の東洋経済オンラインによると、早稲田大学人間科学学術院の永島教授は、
人間の汗腺機能が完成するのが18歳前後のため、発汗により体温を下げて熱を逃がす機能は、
子どもは大人に比べて未熟であり、うまく熱を逃がせないため、大人の感覚で大丈夫だと
判断することは危険であるという指摘がされています。
また各報道機関でも、子どもは身長が低いため、大人に比べて体感温度が高いことが指摘されています。
特に自分では適切な対応や判断ができない可能性がある子どもたちの熱中症対策について、
私たちはいま一度考える必要があると思います。
①ことし、暑い日の屋外活動で体調を崩したと報告された児童生徒はどのくらいいたのか伺います。
教育長:7月に小学校で1件、中学校で1件の計2件でございました。
②ことしの猛暑を受け、教育委員会は各校にどのような指示等をしたか伺います。
教育長:まず5月に熱中症事故防止についての通知を行っております。
児童生徒に繰り返し注意喚起をすること、天候、気温、活動内容、場所等の状況により活動を
自粛するなどの適切な判断をすること、活動する場合においては活動内容、時間、場所の変更など
柔軟に対応するとともに、水分補給や休憩を励行するなど適切に対策を講じる等について
周知をしました。
また、5月、6月、7月の校長会においても、それぞれ注意喚起を行っております。
そして、7月には改めて通知を教育委員会から発出して、熱中症事故の防止についての徹底を
図るとともに、児童生徒に熱中症の疑いのある症状が見られた際には、早期に水分・塩分補給、
体温の冷却、病院への搬送等、適切な応急手当をするよう指示いたしました。
さらに1学期末には、児童生徒の学校への水筒持参について配慮するよう連絡をしております。
児童生徒の健康状況を把握するととに、当日の気象情報や継続したWBGTを踏まえ、換気や、
実施にかかる時間の短縮、座って話を聞かせる、実施する場所を空調設備がある教室等に変更するなど、
2学期以降も必要な対応を行ってまいります。
③屋外活動の中止基準について、マニュアルの有無も含めた対応を伺います。
また、今回の件を受け、より一層の対策をすべきと考えますが、お考えを伺います。
教育長:現時点でマニュアルはございませんが、環境省が示す暑さ指数、
先ほど申し上げたWBGT、この基準を参考にして、各学校において活動や運動の実施について
慎重に判断をするよう指導しているところでございます。
また、ことしの猛暑を受けてのより一層の対策をとのことですが、暑さ指数の測定の徹底及び
児童生徒の健康、安全を最優先にした判断をするよう、引き続き指導してまいります。
④学区の中でも特に遠い地域に住まう児童生徒の保護者から、子どもに水筒を持たせたいという要望がありました。私も第一小学校出身ですが、子どもの足で30分ほどかかって登校して
おりました。学校に水筒を持たせることについて、各校の現況と市の見解を伺います。
教育長:災害とも言われる猛暑ということから、1学期末の時点で、夏季休業中の登校を含めて、
市内全小・中学校で、保護者の判断に基づき水筒を持参していただくようにしております。
なお、この件についてはプリントや学校メールを使用して、保護者の皆様に周知をしているところでございます。
また、ことしの高温による異常気象を鑑みて、こまめな水分補給をとることは児童生徒の熱中症予防のために必要であることから、
2学期以降も各学校では同様の対応をするよう指導しております。
⑤平成30年7月20日にスポーツ庁は、教育関係機関に向けて、運動部活動における
熱中症事故の防止等についての依頼を通達しました。
日本スポーツ振興センターによると、クラブ活動で死亡してしまう生徒の4人に1人が
野球部員であると言われています。市内の部活動における熱中症対策の現況と、
この通達に従って新たに熱中症対策として行ったものがあるのかどうか伺います。
教育長:こまめな水分補給や休憩をとること、生徒の健康観察のほかに、
先ほどの御質問で答えさせていただいたWBGTの測定の徹底と、
環境省が示す指標の基準にのっとり、各学校では部活動の練習実施の有無について
判断をしているところでございます。
また、7月20日のスポーツ庁の通達に従って、新たに熱中症対策として行ったものについての
お尋ねでございますが、この通知を受けて東京都教育委員会が、熱中症事故防止の観点を踏まえ、
運動部活動のあり方に関する方針の内容が追加されましたので、各中学校にはその資料を
配付して、再度、運動部活動における生徒の熱中症事故の安全確保の徹底をお願いしている
ところでございます。
⑥本市は、涼しい場所で休憩する際に利用できるように、市内53カ所の公共施設のロビーなどを
開放するいっとき避暑地を開設しています。
担当課は健康課でありますが、児童生徒の保護者から、いっとき避暑地の子どもたちへの周知と、
そこで給水ができるように要望する声がありました。
自動販売機があっても、お金を持ち歩かない子どもたちは水分の補給ができないことが
課題だと考えます。いっとき避暑地の今後の展開と、公共施設での給水設備の整備を
期待いたしますが、見解を伺います。
武蔵野市いっとき避暑地及び学校の冷水機設置状況
(平成30年9月決算特別委員会資料)
市長:いっとき避暑地には経口補水液や瞬間冷却パックを各施設で用意する際の参考として
現物配付しており、それを使用して体調が悪くなった方に対応していただくケースもあります。
実際に対応することも想定し、いっとき避暑地で働く方に対して、熱中症が疑われる際の対応について
研修等も行っているため、施設数の拡大については一定の時間が必要と考えております。
薬剤師会等の団体から協力の申し出もいただいていますので、運用等についてよく協議を
しながら、可能性については前向きに検討していきたいと思います。
いっとき避暑地での給水設備の整備について、お答えします。
冷水機を設置している施設は29施設ございます。
そのほかテンミリオンハウス等福祉施設においては、運営団体が来館者等の対応の中で、
必要に応じてお茶等の水分を提供しています。また、さきに答えましたように各施設には
経口補水液も配付しており、必要に応じて、施設の判断で提供をしていただいています。
冷水機を今後整備していくかどうかについては、各施設の御事情もありますので、
なかなか難しいと考えております。
———再質問———–
熱中症対策については、やはり今年度のこの暑さを考えると、教育委員会が率先して
そういった対策を各校に指示していただくことが大事かなと思っております。
なぜならば、いろいろ水筒はどうだとかラッシュガードはどうだとか伺いましたけれども、
各校によってかなり対策が違ってきています。
例えば水筒は、御答弁では全校オーケーになっているというようなお話を伺いましたが、
愛知の男の子が亡くなったことを受けまして、やはり保護者の間にかなり激震がというか、すごく衝撃がありました。
それによって、私が申し上げた水筒を持っていってはだめだろうかといったような保護者の声が
私のところにも届きました。なので、その時点ではまだ全校オーケーではなかったと
申し上げておきたいと思います。
そして、その保護者の中でいろいろな話をして、担任の先生に言ったこともあります。
だけど、最初はそれも渋られています。
ですので、そういったことも踏まえて、また、この水筒を持っていきたいというお母さん方の
意見があって、お母さん方がばーっといろいろな情報を集めて、他校の情報も調べまして、
そこでもやはり、あの学校はやっているけど、ここはやっていないねとか、
ばらばらだったことがわかりました。
ですので、私の感想としてはかなり混乱があるなというふうな印象です。
やはりここは教育委員会の方々がしっかりと、各校の自治に合わせることは各校の自治に
合わせればいいと思いますけれども、安全対策というものに関してはしっかりと統一したものを
現場まで届けていただけるようにと思っておりますが、お考えを伺いたいと思います。
また、この熱中症に関しては私も知らなかったような、子どもは汗腺の発達が18歳まで未完全だ
というようなことも知らなくて、正直。私は母親でもありますけれども、子どもはよく汗をかくので、
代謝がよくていいななんて思っていたのですけれども、本当はそうではなかったと
いうようなことも、今回のことを受けてわかりました。
ですのでそれも、市内のつながりのある保育士の先生方ともお話をしましたが、
やはり知らなかったということで、そこの現場でも、保育園でも共有をしたとおっしゃっていました。
ですので、そのような新しい情報もしっかりと全ての教育機関で共有していただきたいと
思いますけれども、いかがでしょうか。
教育長:まず基本的に、教育活動につきましては各学校が判断し、実施をしてまいりますが、
その前提の上で、例えば今回、先ほどの答弁で申し上げたとおり、災害のような言われ方、
言及のされ方もしておりますし、場合によっては、台風であるとか大雪のときのような
危機管理の場合には、踏み込んで教育委員会が一律の方針を示すということを行っていますので、
この際にもそういう判断が必要な範疇ではないかと考えております。
そういう意味で、笹岡議員が御指摘のとおり、1学期末の段階では先ほど答弁申し上げたとおりですが、
各学校においてその対応についてばらつきがあるというのは、その経緯はそのとおりでございます。
今後も必要に応じて、そのような、内容に応じて私どものほうで方針を出すべき事柄については
判断をして、実施をしてまいりたいと思います。
また、その方針を出した上で、一人一人のお子さんであるとか、状況によって事柄というのは変わってまいりますから、
その上でも各校の判断というのが必要なところは生じると思いますが、
そのような方針を出すべきときには出してまいりたいと考えております。
——-再再質問———
いっとき避暑地については、私はこれをもらいました。
武蔵野安心・安全ニュース、高齢者支援課、安全対策課さんから出ております。
こういったものを高齢者支援課さんだけではなくて、子どもの方々(子どもに関するいずれかの部署)もやっていただきたいというのが要望ですが、いかがですか。
なぜならば、この給水については大きな課題があると思っておりまして、
吉祥寺図書館がリニューアル時において給水器が撤去されて、今、自販機が置いてあります。
吉祥寺図書館はホームページにも、通学、通勤、買い物途中に立ち寄れる図書館というふうに
記載されてありますが、自販機しかない場合だと、お金を持っていないお子さんたちの給水にはならないわけです。
これは私も伺いましたら、リニューアル時に配管からもう通っていない状態になってしまった
ので、
かなり大規模なことになってしまうというふうなお答えをいただいているのですけれども、
やはり公共性も考えますと、給水器の配置というのはこれから前向きに検討していくべきなのかなと思いますけれども、
お考えを伺いたいと思います。
これは加えて、フランスのパリでは、プラスチックの海ごみ対策削減の、海ごみ対策ということで、パリ市では給水器に炭酸の水を市が用意し始めたということです。
これはフランスの方々がガス入りの水が好きだということだと思うのですけど、
そういったところで、これからやらなければいけない海ごみ対策とかプラスチックの削減ということにも
絡まってくると思いますので、あわせてお考えを伺いたいと思います。
市長:いっとき避暑地は市報、ホームページ、むさしの-FM、安全・安心メールで周知を
するほか、各施設にいっとき避暑地のポスターを掲示していただきました。
今年度からはホームページのトップページ上部にあるカルーセル、回転式の案内のところです。
こちらにも掲示したほか、フェイスブック、ツイッター等でも周知を行いました。
例年熱中症対策に関しては、熱中症対策庁内連携会議において各課の状況共有を行っていますが、
子どもたちへの周知についても教育委員会とよく調整をしたいと考えます。
(プラスチック、海ごみ削減の環境問題に対する答弁は無し)
教育長:吉祥寺図書館の給水器については、大きい方針は市長のほうでお話ししましたけれども、
吉祥寺図書館についても経緯がちょっとございますので、
今後の対応については研究してまいりたいと考えております。
(以上)