種子法廃止に対する陳情の賛成討論をし、全会一致で意見書を提出しました

種子法廃止に対する陳情の賛成討論をし、全会一致で意見書を提出しました

2018-06-18

 

種子法廃止に対する陳情への賛成討論(笹岡)2018.6.16 ワードで開きます<

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討論を書く際はどうしても手書きになりがち…

 

以下、賛成討論です。

 

 

 

「種子法廃止に際し、市民の食料主権と食の安全を守るため、

公共財としての日本の種子を保全する新たな法整備と施策を求める

意見書の提出を求めることに関する陳情」に対し、賛成の討論をいたします。

 

主要農作物種子法とは、米・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を国の役割と定め、

公的な責任のもと、各都道府県で予算を投じ、地域にあった多様な品種が計画的に

開発され、我が国の食の安定供給と地域振興、食文化の繁栄の根拠法として

重要なものでありました。

 

 

しかし、規制緩和を図る政府により、「民間企業の参入を阻害する」として唐突に廃止されました。

 

まずこの背景についてお話しします。

 

2016年2月4日、日米交換文書において「日本政府は米国投資家の要望を

聞いて、各省庁に検討させ、必要なものは規制改革会議の提言に従う」とありました。

 

これに沿うように、通常農水省が閣議で出す法律は、農家や消費者からなる農政審議会

にかけていますが種子法廃止はそれがなく、規制改革会議から約2ヶ月後に、

十分な審議もされないまま法案通過しています。

この中で、東京大学の本間教授が「種子法のどこが悪いのか説明された方が良い」と指摘しているにもかかわらず、です。

 

総務委員会が行った、農業委員会との懇談会においては、

種子法廃止に対し委員の方々から、「外圧から廃止になるのだろう」

「種を守るのは当然だ」「種は20数年かかって地域に合うように成長し、

一度遺伝子組み換え品種が入ると、はじめは虫もつかないが、どんどん薬にも

強くなり、二度と純粋なものに戻れなくなるのが心配だ」

「一度手を出すと世界中そうなる」「伝統野菜に異形が出るなど悪影響がある」

といった声があがりました。

 

種子を公共財とする根拠法を失う事で、様々な心配があります。

種子をビジネスとする民間企業が我が国の市場に参入してくることが容易に予想されます。

民間への種子の知見の提供を促進しているからです。

また、山田正彦元農水大臣によると、全米麦生産協会会長に

「アメリカでは小麦GMO(遺伝子組み換え)の反対が多いので、

日本で食べてもらおうと思っている。」と言われたとの事です。

 

政府答弁においても、「参入については外資を問わない」と名言しているため、

モンサント、ダウケミカル、バイエル、デュポンといった世界の種子市場の

約7割を独占している多国籍・化学品企業等の参入が考えられます。

 

その企業指定の農薬・肥料・遺伝子組み換えなどの種子をセットに契約され、

種子は受け継ぐものではなく、企業から買って、企業が管理するものになってしまいます。

これに対し、世界の各地では農民による反対運動が起きています。

 

加えて、遺伝子組み換えなどの食の安全への懸念が考えられます。

例えば、モンサント社はラウンドアップ(グリホサートという成分)という除草剤を

撒いても枯れないGMO大豆を販売しています。

収穫直前の大豆に除草剤を撒くと、草が枯れて収穫効率がアップするそうです。

 

また、種子の価格が値上がりすることも考えられます。

現在、米の種子の価格は1キロで600円弱とのことですが、

民間企業の種子の価格は5〜10倍高いとされています。

種子の知見が提供され、その種子を資源に企業が知的財産権を得て、

価格に反映させるからです。

 

種子の価格が上がり、海外からTPP等によって大規模生産の安い米等が

入ってくれば、小規模家族業を続けることができなくなる生産者が出てくる

と考えられます。

そうすると、田畑が広がる日本の原風景が失われてしまいます。

 

政府は「種苗法に基づき、適切に処理が可能」としていますが、1947年農業種苗法が成立以来、種苗法は何度も改正されています。

UPOV条約という、大企業が知的財産権を主張し始めたことにより締結された

国際条約に準拠する形で、農家の権利を制限し、企業の権利を強化する改正を重ねています。

 

それまで自家採種自由が種苗法の原則であったものの、2017年で

合計289種まで自家採種禁止が拡大され、今後も対象を拡大していくと

言われています。

種子法が廃止されても種苗法があるから大丈夫、ということではないことがわかります。

 

農家による種取りや種子の保存は、麦もそうですが、有機栽培者を中心に

ごく普通に行われており、軒先に作物を広げ、子供たちが裸足で踏んだりしながら

種取りをし、農家同士で種の交換も行われてきました。

 

なぜなら、種は食べ物を作りだすもとであり、長年先祖から受け継いできたものであり、公共財であるからです。

 

 

種子法が守ってきたものを、営利・採算が問われる民間企業に任せていいのかと

いうことには、大きな大きな課題があります。

 

種子法廃止を受け、全都道府県がこれまでの種子関連事業とその予算をおおむね

維持し、安定供給の体制を継続する方針であることがわかりました。

 

しかし、国において新たな施策と法整備が必要であると考えます。

以上のことから、この陳情に賛成といたします。

 


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主要農作物種子法廃止に際し、市民の食糧主権と食の安全を守るため、公共財としての日本の種子を保全する新たな法整備と施策を求める意見書(武蔵野市議会 議員提出議案))種子法意見書