多様な働き方を公が担保する努力を!場と機会の提供が鍵。(一般質問議事録)

多様な働き方を公が担保する努力を!場と機会の提供が鍵。(一般質問議事録)

2018-03-18

笹岡ゆうこ 2018.2.23 一般質問「働き方改革から考える多様性の担保と公の役割について」 やりとり全文はこちら

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働き方改革には2つの視点があると思います。

1つは、制度面での多様性・柔軟性・ワークライフバランスを考えた制度面のこと。
特に性別役割分業で形づくられた仕組みに時代が合わなくなっていること。

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もう1つは、「何を大切にして生きるか」の価値観に変化があったこと。

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働くことが生活の豊かさ、国力アップに直結し、「一億総中流」であった時代から、

働いても生活は厳しくなる一方で、子育て世代はダブルインカムでもぎりぎり。

全ての世代で不安が広がる「一億総不安社会」となりました。

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(リーマンショック 朝日新聞2008.9.15付 ※私も2008年入社組)

そして、私の中で大きかったのは3.11の東日本大震災です。

「豊かさとは何か」「何を大切に生きていくか」「命ではないか」

「自分の頭で判断して、未来は自分たちの手で切り開くしかない」

今までの価値観が根底から崩されたような感覚になりました。

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過去の成功体験をなぞるように、日本一億総活躍、戦後最大のGDPを目指して、

経済成長!労働生産性を上げよう、と言われてもギャップを感じざるを得ません。

これからの自治体の地域力は、「多様性」、「持続可能性」、「包摂」です。

消費はモノ消費からコト消費に注目がされています。

これらの変化をしっかりと捉え、自治体の自治並びに積極的に人々を支える多様な施策を

進めていくべきだと思っています。(議事録まま)

 

<質問内容まとめ>

①市役所の職員の働き方について

 

※公の姿勢はかならず社会に影響を及ぼすから。

 

・年次有給10日未満が238名、全体の33.6%だが、現況の課題は。

・昨年10月の改正育児・介護休業法を受けて、育休取得と介護休暇取得の改善策は。
・残業を減らすための取り組みは。

・在宅勤務等、多様な働き方導入に関しての市の考えは。

・女性のキャリアロスを防止する取り組みについて現況と課題は。

・障がい者法定雇用率が上がるが、現況は。

また、財政援助出資団体での雇用促進をすべきだが見解は。

・がんと共に生きるため、治療と職業生活の両立支援について。

 

 

②自治体ができることについて

・世田谷区のように、市内の「働き方」「働き方の希望」の現況調査をすべきでは。
・世田谷区のように、子どもの近くで働くことができるワークスペースの整備支援をすべきでは。コミセンや、創業支援施設などで取り組みができるのでは。

・東京都の今年度予算、約9割を上限にするベビーシッター利用支援になぜ取り組まないのか。

・育休延長のための保育園の不承諾通知を目的とする方はどのくらいいるか。
また、これに対する対策や国への働きかけは。

・第5次子どもプラン策定時には、現況の就業の有無だけではなく、今後の希望等の多角的な調査をすべきではないか。

・今後の公共施設整備にあたっては、多様性を担保できる場と機会の提供を鍵として考えるべきではないか。

 

 

笹岡ゆうこ一般質問「働き方改革から考える、多様性の担保と公の役割について」議事録

 

____________全文____________
○議 長(本間まさよ君)  休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間を延長いたしておきます。
次に、働き方改革から考える多様性の担保と公の役割について、13番笹岡ゆうこ議員。
(13番 笹岡ゆうこ君 登壇)(拍手)

○13番(笹岡ゆうこ君)  13番笹岡ゆうこです。平成30年第1回武蔵野市市議会定例会の一般質問を
させていただきたいと思います。今回の題は、働き方改革から考える多様性の担保と公の役割について。

現在国会にて審議されている働き方改革関連法案については、裁量労働制拡大に向けた根拠となるデータに恣意的とも言えるミスが明らかとなり、先日、安倍総理大臣が謝罪をし、法案のあり方も含めたさまざまな議論がされているところです。

高度プロフェッショナル制度及び裁量労働制の拡大については、労働時間の見えない化が進み、また運用にも不安があり、今までのホワイトカラーエグゼンプションや残業代ゼロ法案をほうふつさせる、働かせ改革とやゆされています。

そもそも働き方の見直しには2つの側面があると感じます。

1つは制度面の変更の必要性です。

2015年に電通で高橋まつりさんという若い女性が過労死をした事件、これはパワハラやモラハラもはらみ、
大きな問題となりました。過労死を防止するための規定の見直しの必要性、そしてさまざまなブラック企業の
問題点も明るみに出ました。
また、企業で働き続ける女性がふえたことから、今までの性別役割分業で形づくられてきた仕組みを根底から
考え直し、女性のキャリアロス防止や子育て支援に対してフレキシブルな制度、そして女性の産む、産まない、
結婚する、しないにかかわらず、選択を阻まれない社会のあり方について、
早急な取り組みが求められています。私はこのことに関しては、男性の長時間労働を見直さない限り、
本質的な意味での実現は難しいと考えています。

もう一つは、働くことについての価値観の変化が生まれたことです。

つまり雇用機会や働く人への保障という仕組みの問題だけではなくて、
そこには背景となる、どう生きるかへの変化があると思います。

時代背景においては、それまでの右肩上がりの経済で、がむしゃらに働けば働くだけそれなりに
賃金をもらえ、頑張ればマイカーや夢のマイホームを持つことができ、子どもも2人くらい大学に行かせることができたといった時代です。

働くことは企業だけではなく、小国の経済国として国力もアップし、中小企業も比較的元気で日本を支え、
豊かさへと直結していました。
そしてある意味終身雇用制度や福利厚生において、会社や企業が労働者並びにその家族たちを守っていたと言えます。

女性はその間、大多数が子育て、家事、介護などの全ての家庭の見えない仕事を担い、
少数の方が完全なマイノリティとして男性社会で戦っていました。そして今この世代にも、
予定していた不安のない年金生活とはかけ離れた格差が広がっていると感じます。

私は1986年生まれの2008年入社です。生まれてこの方ずっと不況、社会が明るい感じというのは想像もつかないのが正直なところです。
2008年、リーマンショックが起こり、新卒でリーマン・ブラザーズにいた友人、そして日本航空でパイロットをしていた友人も、大幅なキャリア変更を余儀なくされました。
これは大きなショックでした。

総務省の家庭調査の可処分所得の推移においては、1997年、47万9,302円と比べて、2016年は40万8,649円と減って、
厚労省による世帯年収の中央値についても、平成7年が550万、比べて平成27年は428万と減っています。

また厚労省の勤労統計調査の実質賃金の推移においても、2016年において392万円、これは右にちょっと上がって、
ずっと下がっている、そういったような推移を見ています。さまざまなデータと突き合わせても格差は広がって、
全体的に生活が苦しくなっている、厳しくなっていると思います。
こういった働けば働くだけ豊かになれる時代は終わって、今は共働きでもぎりぎりというのが多くの現状だと思います。

社会への不安と帰属意識への揺らぎに加えて、3.11が起こりました。
東日本大震災で、いまだに生活の再建に課題を持っている方が多くいます。
この3.11によって、生きることや暮らしについて考えさせられました。
豊かさとは何か、さまざまな場面で問われていると感じます。

お金があることだけが豊かとは言えないのではないか、そして未来は自分たちで切り開いていかなければならないのだと深く思っています。
そして、まるでリバウンドのように、属性を超えて横や斜めにつながろうとする動きが水面下でふえてきているのが、
今ではないかなと思っております。
この大きな2点の理解なくして、働き方改革は成功しないと思っています。

「工夫して早く帰って消費をしよう!プレミアムフライデー」などは、「プレミアムおかげで木曜残業だ」
という、嘆きのサラリーマン川柳2018(年)が生まれ、仕事の絶対量が減っていないのに、
人は減り、形だけ帰らされる、こういったことはサイボウズから反対意見広告も出され、
共感が得られました。

過去の成功体験をなぞるように、日本一億総活躍、戦後最大のGDPを目指して、
経済成長、労働生産性を上げよう、こう言われましても、ギャップを感じざるを得ません。

これからの自治体の地域力は、多様性、持続可能性、包摂と言われています。
消費はモノ消費からコト消費に注目がされています。これらの変化をしっかりと捉え、
自治体の自治並びに積極的に人々を支える多様な施策を進めていくべきだと思っています。

質問いたします。1番、市の職員の方々の働き方について。

①職員の課別有給休暇取得について。
平成28年度平均は、企画調整課、吉祥寺まちづくり事務所、障害者福祉課、子ども育成課、まちづくり推進課
の順に低く、1桁台となっています。年次有給休暇10日未満の職員数は238名で、全体の33.6%です。
有給休暇取得についての市の考えと現況に対する課題を伺います。

2番目、育児休業取得について。女性は平成24年から平成28年において100%となっておりますが、
男性は平成24年度、11.8%、平成28年度は36.4%と、いずれもまだまだ低い水準です。

また、男性職員の配偶者出産支援休暇取得状況についても、100%の年度もあるものの、
平成28年度は81.8%となっています。
こちらの武蔵野市第二次特定事業主行動計画前期計画によると、介護休暇を取得したいと考えている職員は
85.2%いるのにもかかわらず、平成28年で取得したのは2名です。
こちらは平成29年、邑上前市長はイクボス・ケアボス宣言を行い、
10月から改正育児・介護休業法が施行されました。そういったことを鑑み、
現在の課題と今後の改善策について伺います。

3番、残業を減らすための工夫として、平成23年度より全庁一斉退庁カエルデーを実施していますが、
50%以上の実施の達成率は60.8%です。
残業を減らすための工夫と、不必要な仕事を減らすための工夫について伺います。

4番目、個人情報の取り扱いのないところにおける在宅勤務、テレワーク。このテレワークという言葉は、
余りしっくりこないのですけれども、そういったものの導入について、
多様な働き方を保障するために検討すべきでないかと考えますが、見解を伺います。

5番目、女性が働き続けることについて。出産や育児、
介護などのライフステージの変化におけるキェリアロスを防止する取り組みについて、現況と課題を伺います。

6番目、障害のある方の法定雇用率が平成30年度、ことし4月から、地方公共団体において2.3%から2.5%、
民間企業において2.0%から2.2%に引き上げられますが、現況と今後の展望を伺いたいと思います。
また、市の財政援助出資団体でも積極的に障害のある方の雇用を促進していくべきだと思っておりますが、
現況と見解を伺いたいと思います。

7番目、がんのことについて伺います。国立がんセンターによると、
日本において2人に1人ががんとなって、そのうち3人に1人が20歳から64歳の就労可能な年齢であり、
がんを抱えながら働く患者がふえているということです。
平成25年度厚生労働省国民生活基礎調査によると、働きながらがんの治療を続けている患者は37万3,000人に
上ると言われています。

東京都も「がんに罹患した従業員の治療と仕事の両立支援ハンドブック」を作成しています。
治療をしながら働き続けること、また復帰しやすいことが、今後より一層求められると思いますが、がん患者における治療と職業生活の両立支援について、現況と今後の対策について伺います。

2番目、多様な働き方実現支援のために自治体ができることについて伺いたいと思います。

1番目、世田谷区は、働き方改革の推進と子育て、介護、仕事の両立に関する環境整備について、
区内中小企業等の働き方に関する現状及び働き方に関する区民ニーズを把握し、
就労支援施策を検討するための基礎資料とするために、民間の会社に調査を依頼し、
現状の調査を実施いたしました。本市においても同様の調査をし、
市内状況の把握に努めるべきだと考えますが、見解を伺います。

2番目、世田谷区は今年度の予算案で、新たな事業の一つとして、
子どもの近くで働くことのできるワークスペースの整備支援を発表しました。
これは、現在区内27カ所に整備された「おでかけひろば」において、
保護者が仕事をするスペースに子どもを預かる機能を持たせたもので、保育施設に子どもを預けてフルタイム
で働くか、働かずに在宅で子育てをするかのゼロか100以外の選択肢を提示し、
自分のライススタイルに合った働き方ができる環境整備を進めるためとしています。

本市においてはひろば事業やコミセン、その他稼働率の低い公共施設などさまざまな場所で、
この事業を参考にした事業展開が検討可能かと思いますが、見解を伺います。
また今後のひろば事業の増加について見解を伺います。

3番目、東京都は今年度、新たな待機児対策として、ベビーシッターの利用料を補助する制度のために
約50億円の予算案を計上しました。補助対象はゼロ歳から2歳の家庭で、
保育所への入所決定まで保護者が仕事をする場合と、1年間の育児休暇を取得した後に
次の4月に保育所に入るまでとして、月32万円の費用のうち、約9割の月28万円を上限に補助する
というものです。
私はベビーシッターの利用というのは、待機児対策としてはいかがなものかと思っているのですけれども、
これらはゼロ歳児の保活を和らげ、1年間の育休をとりたい親に取得をすることの支援にもつながるもの
とされています。東京都の動向を受けて、本市の対応を伺います。

4番目、2018年2月19日付の「ビジネスインサイダージャパン」によると、
保育園の内定辞退について世田谷区は、保育園に入ることができずに法定育休の手続を行う
可能性のある保護者を年間約800名と見込んでいますが、
不承諾通知の取得を目的とする保護者は190名ほどいると推定しているとのことです。

本市の現況はいかがかでしょうか。
これは先ほど他の議員からも質問がございましたが、私はその他の議員と質問するスタンス(それらを批判するもの)が違うと
思っておりますので、御了承願いたいと思います。

5番目、専業主婦や障害のある子どもがいる家庭など、
表に声が届きにくい層に配慮して、多様な主体での子育て支援を展開していくべきだと考えます。
今後の子ども・子育て支援についての見解を伺いたいと思います。

6番目、母子健康手帳配布の際の対面でのヒアリングと全市的な未就学児の家庭調査によって、
子どもの貧困の可視化や子育て中の不安要素など、市内の子育て家庭の詳細把握に努めるべきであると
以前から求めています。
第五次子どもプラン策定の際には、調査段階での就労の有無だけではなくて、
将来的な働き方の希望や介護に対する予想など、多角的な調査をして現況の把握をすべきだと
考えておりますが、見解を伺いたいと思います。

最後に、武蔵野プレイスの成功については、駅前、広場つきという立地条件に加えて、
全市的に集まれる場所であることや、属性を問わず多様な場と機会を提供していることが大きいと
考えています。今後の公共施設の更新や再整備に当たっては、それらを参考に、
いかに多様性を担保できるか、そういった場と機会を提供できるかが課題であると思います。

今後の公共施設の再整備と第六期長期計画策定においては、市民の意見を酌み上げた上で、
多様性を大切にできる公共施設と次期コミュニティ構想の新たな展開を考えるべきだと思っておりますが、
見解を伺います。

以上で壇上からの質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○市 長(松下玲子君)  笹岡ゆうこ議員の一般質問にお答えをいたします。

まず、市の職員の有給休暇取得についての考えと現況に対する課題についての御質問です。

市では現在、第二次特定事業主行動計画前期計画により、取り組み計画を推進しております。

例えば各課ごとに独自の年次有給休暇取得促進月間を設けております。年間取得日数10日未満の
正規職員ゼロ人の目標に対し、平成28年は、御説明がありましたとおり238人と未達成でありますが、
前年の平成27年からは37人、それでも減っており、特に管理職層の年休取得率が低いことから、
管理職がみずから率先して休暇を取得することを推奨しています。

また記念日休暇や連続休暇をとりやすくするために、課内で各職員のスケジュールをカレンダー等で
見えるようにしたり、課内で定期的に休暇予定を確認し合ったりすることにより、
業務のフォローや分担を調整して、休暇が取得しやすくなるようにしております。

休暇をきちんと取得することは、仕事に活力を持って臨みやすくなり、
めり張りのある働き方ができるようになることから、休暇を取得しやすい雰囲気づくりに
取り組んでいるところであります。

続きまして出産・育児休暇取得等です。現在の課題と今後の改善策についての御質問です。
男性の育児休業取得率目標値15%に対し、平成28年度は36.4%となり、目標を達成しました。
この数値は26市では2番目に高いほうであります。出産支援休暇の取得目標値は100%で、
平成26と27年度は達成しておりますが、御説明いただいたように平成28年度は81.8%でございました。
しかし取得者数は27名と、前年度の19名よりもふえてはいるところでございます。

課題は制度の周知促進と取得しやすい環境づくりと考えております。
そのため、職員向けに出産・子育て支援ハンドブックを作成し、出産・育児休暇中の制度等を周知しております。
また配偶者が出産を控えている男性職員が出産予定報告書を提出することにより、所属長の理解を促し、
また人事課から子育てのための制度を案内するなど、休暇取得促進につなげております。

介護休暇につきましては、制度がわかりにくく取得しづらいという意見が多いことから、
取得期間の上限の撤廃、介護時間の創設などの条例改正を平成28年度に行い、
より柔軟な取得ができるよう努めております。
介護時間制度創設をきっかけとして、庁内報で介護にかかわる休暇等の制度を周知しましたが、
今後も介護を行う職員のそれぞれの介護事情に合わせて、適切な時期に適切な期間の介護休暇を
取得できるよう、制度の周知を図ってまいります。

これらのことに一元的、総合的に対応するため、休暇・休業相談窓口を人事担当に設置し、
制度内容や活用の仕方など、個別の相談に応じております。

次に、残業を減らすための工夫等についての御質問でございます。全庁一斉退庁カエルデー、
これは毎週水曜日を設定し、帰ることを促す庁内放送を、朝昼帰りの時間に実施しています。

夏季期間は金曜日も全庁一斉定時退庁日に設定しております。また、一斉定時退庁日に退庁を促す
市長メッセージを、朝パソコンの立ち上げ時に配信しております。
このほか、各課で月1日以上の独自の一斉定時退庁日、カエルデーを設定し、管理職が職員に呼びかけを
行い、帰りやすい環境づくりを行っていますが、繁忙期などにより、100%には至っていない現状があります。

このため、特定事業主行動計画推進委員会専門部会に庁内9名の職員の参加により、
業務改善プロジェクトとして、具体的なアクションについて、本市の状況や他自治体の働き方の
見直し事例等について意見を聞き、今後の取り組み事項を検討しました。

これを受けて今年度より、超過勤務時間が45時間を超える職員の所属長が、
超過勤務命令対応策届出書により、理由を検証した上での業務改善・改革に向けての具体策について
提出することとしており、その中から好事例については主管者会議で報告し、全庁で共有を図っております。

不必要な仕事があるとは認識していないのですが、例えば生産性を上げるためには
効率的な会議の方法である会議スタンダードについて、周知を図っているところです。今後はさらに全庁的に、生産性という概念、時間の有効な使い方という概念を浸透させることが重要であると考えております。

続きまして、在宅やテレワーク導入等について、多様な働き方、保障することを検討すべきでは
との御質問ですが、今年度、時差勤務、在宅勤務――これはテレワークを含みます――や育児短時間勤務など、
誰もが働きやすい固定勤務にとらわれない柔軟な働き方について検討するため、
先進自治体である豊島区、町田市、調布市に視察を実施いたしました。

また、職員向けに柔軟な働き方に関するアンケートとして、時差勤務やテレワークのニーズ調査を
行いました。時差勤務については職員からも希望が多いため、現在本市の時差勤務の運用について検討し、
試行案を作成するために、所属をマネジメントする視点から、管理職アンケートを行っているところでございます。
テレワークについては、今後、親の介護や育児のため、職場に来ることができない職員がふえることも想定されるため、どのような仕事がテレワークにふさわしいのか、またテレワークをする場合の勤務時間の管理方法など課題があるため、研究を行ってまいります。ワーク・ライフ・バランをより重視した、
効率的な働き方の選択肢をふやしていくように検討してまいります。

次に、女性の活躍推進、キャリアロスを防止する取り組みについての現況と課題の御質問です。

第二次特定事業主行動計画前期計画は、平成27年8月に制定されました女性活躍推進法により、
平成28年度から31年までを計画期間とした、女性の職員の活躍の推進に関する行動計画としても
位置づけをしております。女性職員のキャリア形成やマネジメント能力の向上を図る研修を実施したり、
参加を促したりしております。

育児休業取得中も承認試験を受験できるよう、運用の見直しを行いました。育児休業中も
通信教育の受講案内などの自己啓発支援を行っております。仕事復帰に対する不安を少しでも軽減できるよう、
育児休業中の職員と人事担当者や子育て中の先輩職員との交流の場、育児休業等取得者懇談会というのを
設け、復帰に向けた心の準備ができるようサポートを行っております。

職員アンケートにおいてキャリア形成支援の要望について調査を行い、
今後の取り組みに生かしていきたいと考えます。将来的にはテレワークなどもキャリアロスの防止につながる可能性があるため、研究していきたいと考えます。

続きまして、障害者の法定雇用率についてでございます。現況と今後の展望、
また市の財援団体でも積極的に雇用を促進すべきとの御質問です。市役所における障害者雇用状況調査に
よる本市の雇用率でございますが、平成25年度が2.30%、26年度が2.45%、27年度が2.37%、
28年が2.39%、29年度が2.03%、29年度は職員の退職により法定雇用率を今現在下回っております。

雇用率向上のための取り組みとして、平成20年度より知的障害者及び精神障害者の市役所内実習を
障害者福祉課と人事課との共同で行うなど、知的障害者に適性のある業務や、
あるいは精神障害者にはこういった点に配慮すれば就労が可能であるなど、庁内での雇用について一定の可能性を探ってまいりました。
これまでに知的障害者1名、また庁内実習を終えた精神障害者1名を非常勤嘱託職員として雇用しております。

今後、障害者の雇用の促進に関する法律において雇用率が引き上げられ、雇用率が上がります。
経過措置で3年間は2.5%ですが、2.6%に引き上げられることとなります。従前から一般の職員採用や市民雇用の嘱託職員の募集において、業務に支障がなければ応募は可能としているのですが、採用には至っていない現状です。さらに市役所内実習や就労支援センターとの連携により、障害者の方の雇用の促進に努めてまいりたいと思います。

財援団体については民間企業であるため、法定雇用率は2.0%が適用されております。各財援団体の障害者の雇用率は、平成29年6月1日現在ですが、武蔵野市福祉公社で1.32%、武蔵野生涯学習振興事業団で3.24%、
武蔵野市子ども協会が0.94%、武蔵野市給食・食育振興財団がゼロ%、社福武蔵野が1.99%となっております。

残りの10団体は従業員数が少ないため、対象外となっております。社福武蔵野は1.99から現在は2.5%程度になっているようです。

給食・食育財団はゼロ%なのですが、採用について、業務に支障がなければ応募は可能としているのですが、
業務内容が、調理・栄養士、配送等の作業で単純作業がないためか、応募がない状況です。

ただし、29年3月に障害者の職場体験実習を2名受け入れており、短期に集中する事務作業を
お願いした実績はあると伺っています。

各団体が主体となり、法の趣旨に照らし、適切に障害者雇用の取り組みを行うべきものであると
理解しておりますが、市も各団体の指導監督者として、必要に応じて制度について引き続き周知徹底し、
各団体の取り組みを促したいと思います。

続きまして、がん患者における治療と職業生活の両立支援、現況と今後の対策についてです。
がん等で定期的に通院、加療が必要になった場合でも、現行の病気休暇制度により、日単位、
時間単位で休暇を取得することができます。また療養後は必要に応じて勤務軽減措置を受けることができます。
一定期間の治療が必要となった場合は、休職、こちらは最長3年間入ることとなります。

通院、加療中、休職中、休職から復職後など、本人の治療方針や体調等を鑑みて、
適切に制度を利用できるようにサポートをしてまいります。東京都のハンドブックは
福祉保健局が事業主や人事労務担当者向けに作成したものでありますが、国や東京都の動向などを参考に、
職員の治療との仕事の両立支援について研究を行ってまいります。

続きまして、労政及び産業分野における取り組みとして、市内の状況把握に努めるべき、
産業調査等の御質問です。来年度に予定をしております産業振興計画改定の参考資料として、市内の産業実態調査を行っており、事務所ヒアリングの際に、働き方改革実行計画の9つのテーマについて質問をしています。

市民及び近隣住民からは、働くことに対する考え、場所や職種、労働時間等を聞いております。

産業実態調査では、市内事業所に対しウェブによるアンケートを行う準備をしており、アンケート項目に、
女性雇用のために講じている対策として、育児・介護休暇、短時間勤務等多様な就業形態の整備等を設けて
おり、事業所の状況把握を行う予定です。
これらの調査結果は産業振興計画改定の際に活用する予定ですが、
働き方改革の推進等についても、同計画策定委員会の検討の対象になる可能性もございます。

続きまして、ワークスペース整備支援の考えについてでございます。
世田谷区の取り組みは、子育て中の親の働き方の選択肢をふやそうと、
ITを使って仕事をするテレワークなどを活用して、
親が子どもの近くで働ける環境を整えるため、既存の常設の広場を活用するものであります。

現在、当市で実施している親子ひろば事業は、0123施設やすくすく泉、境こども園「いこっと」、
桜堤児童館などの常設で行われているものと、コミセン親子ひろばのようにコミュニティセンターを活用し、
月1回から2回行われているものがあります。世田谷区のような既存施設を活用した取り組みについては、
各施設のそもそもの役割やその施設で行うことの意議などを十分検討する必要があると考えます。
御提案のありましたひろば事業における取り組みについては、常設施設、コミュニティセンターとも、
現状では必要なワークスペースの確保が困難であり、現在のところ事業の実施は難しいと考えます。
子育て中の親の働き方の選択肢をふやす取り組みについては、その手法も含め、今後の課題であると認識をしております。

親子ひろばの今後の増加についてでございますが、ことし1月から吉祥寺東コミュニティセンターで
新たに開始し、4月からは桜堤コミュニティセンターで開始を予定しております。

4月以降は0123施設が運営するコミセン親子ひろばが7カ所、地域団体が運営する共助による
子育てひろば事業が7カ所の計14カ所のコミュニティセンターで実施することとなります。

今後は多くの地域で共助による子育てひろば事業が展開できるよう、
地域の方々と丁寧に協議を重ねていきたいと考えます。
また、子育てひろば事業を実施する民間事業者の取り組みについても、地域の状況を考慮しながら
支援することを検討したいと考えます。

続きまして、東京都のベビーシッター利用料補助制度開始を受けての対応についてでございます。
本市においては平成29年度より、集団保育になじまない児童を対象とした居宅訪問型保育事業を
開始しましたが、今のところ利用実績はございません。

市内には認可保育施設のほか、認可外保育施設として認証保育所や企業主導型保育施設も多く
整備されており、ベビーシッターの利用希望者がどれだけあるのか未知数であるため、
新年度予算には計上しておりません。

また担い手である保育事業者の確保や、武蔵野市の求める保育の質がどの程度担保されるかが
不透明であることも懸念されます。
これらの状況とともに、平成30年4月の待機児童数や他の自治体での取り組み事例を参考にし、
制度の導入についても研究をしてまいりたいと考えます。

また保育園の内定辞退について、不承諾通知の取得を目的とする保護者の本市の現況はとの御質問です。

保育所に入れない場合の法定育休の延長手続には保育所の不承諾通知が必要となっているため、
本市においても、不承諾通知の取得目的で申請される方も一定数いるのではと推測をいたします。
このような申請は、本来入所を希望されている方にも大きく影響を及ぼし、入所先が変わったり、
入所できないことも発生する可能性があります。

申請の際には、保育園に預ける予定であったが子どもと過ごすうちに育休を延長した方や、
育児期間中に申し込んだものの、翌年の申請で必ず入所できるかわからないため入所することにした方など、
申請者の家庭や勤務先の状況等がそれぞれ異なるので、
現行の申し込み状況から不承諾通知の取得目的を把握するのは非常に難しい状況であると考えます。

続きまして、今後の子ども・子育て支援についての御質問でございます。
社会環境の変化に伴い、核家族化や地域とのつながりの希薄化が進む中、専業主婦の方は在宅で子育てをして
おり、子育ての不安の解消や孤立防止のための支援が必要であると考えております。

このような子育て家庭を支援し、親子の交流の機会を提供するために、0123施設やおもちゃのぐるりん、
境こども園「いこっと」、すくすく泉、桜堤児童館、また昨年10月にオープンした吉祥寺北町の
「みずきっこ」などの子育て支援施設がございます。また地域のコミュニティセンターを
活用したコミセン親子ひろばや認可保育園、私立幼稚園などで実施されている各種子育て支援事業も
ございます。

さまざまな形の支援を実施しておりますので、子育て家庭が必要な支援につながることができるよう、
市報やホームページ、子育て応援サイト「むさしのすくすくナビ」、子育て支援情報誌「すくすく」など、
さまざまな媒体を通して事業周知を行うとともに、各子育て相談窓口においても積極的な周知を
行っていきたいと考えます。

また発達に課題がある子どもを育てる家庭の多くがとても不安を抱えていらっしゃり、
子どもに対する支援だけでなく、家庭への支援も一体的に取り組む必要があると考えます。

現在、地域療育相談室ハビットを中心として、障害のある子どもの早期発見、早期療育に努めていますが、
子どもの成長に伴ってかかわる機関が変わっていくことから、各機関の連携を強化し、
ライフステージごと支援が途切れないように支援を行っていく必要があると考えます。

続きまして、第五次子どもプラン策定の際には多角的な調査をして現状の把握をすべきと考えるとの御質問です。

平成30年度から策定作業を行う第五次子どもプラン武蔵野については、第四次子どもプラン武蔵野策定時と
同様に、各種調査、ヒアリング、ワークショップなど市民意見を幅広く集約する予定です。

調査については、子ども・子育てに関するアンケート調査、ひとり親家庭アンケート調査、
青少年に関するアンケート調査を予定しております。各調査の調査項目についてはこれから
検討することにはなりますが、前回のひとり親家庭アンケート調査では、
現在の就労状況だけではなく、転職の意向や就業意向についても調査をしております。
効果的な支援策を検討するためにどのような調査項目が必要なのか、いただいた御意見も参考にし、
計画策定の過程で今後具体的な検討を行いたいと考えます。

続きまして、武蔵野プレイスに関してでございます。多様性を大切にする公共施設とコミュニティの
新たな見解を考えるべきとの御質問です。プレイスは、図書館、生涯学習支援、
市民活動支援及び青少年活動支援の4つの機能が複合した施設として、多様かつ多くの方に御利用いただき、また評価をいただいております。
コミュニティのエリアや多様性を担保できる場や機会の提供において、
平成26年のこれからの地域コミュニティ検討委員会提言においても、子育て、防災、福祉などの活動団体と
コミュニティ協議会との連携が不十分な点や、活動区域が不同一なこと、コミセンが気軽に立ち寄りやすい
施設になっていないことなど、課題として掲げられております。

これから本格化する公共施設等の更新再整備には、建物単体の更新にとどまるものではなく、
地域コミュニティも含めたまちづくりに大きくかかわるものであり、だからこそ幅広い市民の理解や
丁寧な意見交換と合意形成が必要になると考えます。以上です。

○13番(笹岡ゆうこ君)  御答弁ありがとうございました。再質問させていただきたいと思います。
今回、この働き方改革ということで、恐れ多くも市の職員の方の働き方について言及したのですけれども、
これはなぜかというと、公の姿勢というのは必ず社会全体に影響を及ぼすと思っているからです。

また入ってみて、正直本当に思ったのは、皆さんが非常に優秀だということでした。
このイメージだけの公務員バッシングというのは、結構先行しているようにも思っています。
実態は相当働いているし、私も相当勉強しないと太刀打ちはできないと思って毎回臨んでいるところです。
ということで、この働き方改革はさまざまなところでやられていることがわかりました。
どんどん進めていっていただきたいと思います。

今回の予算で時差勤務について松下市長が触れておりましたが、これも私はすばらしいことだと思っておりました。
自分自身妊娠したときに、切迫早産で大分コアタイムに限定したような勤務をさせてもらったのですけれど
も、
もうそれでも無理で、3カ月入院して、結局は復帰を諦めたこともありました。

そういったことで、なるべく働き続けたい人が働き続けられる状況をつくるといったことは、
税金を使っている関係でいろいろ難しいかもしれないのですけれども、
公の立場としてしっかりと推進していっていただきたいと要望したいと思います。

質問としましては、6番目の障害のある方の財政援助出資団体での雇用率が低目だなということで、
私は市の財援団体の意議を考えますと、公共的な意議が相当ある、そして社会的責任も生まれているのでは
ないかと思います。
そして私も企業に勤めていたときに、一番尊敬して仲がよかった女性の先輩は、
障害がある方だったのですけれども、思えば身体の障害の方でした。

ということで、知的や精神にまで御答弁いただきましたので、そういったことは非常に評価したいと
思っておりますし、もし市内の社会福祉法人のほうも、こちらのプレスを読みましたけれども、
相当積極的に、育児、介護、障害のある方含め、やっておりますので、何かあったときは連携して
雇用の促進を務めていただきたいと思いますけれども、御答弁お願いしたいと思います。

あとは、がんについてですが、私も調べていて、この就労している年齢の3人に1人ががんだという
数字に改めて驚きました。つまりは、この働く人、働く家庭を支えることのみならず、
キャンサーペアレンツと言われる、そこに付随している子どもたちへの支援も今後は
考えていかなければいけないのではないかと思っています。

今、社会的には一切表に出にくい、わかりにくいところなのかなと思っておりますので、
これは要望でございますが、がんとともに生きる社会の対策をしっかりとやっていただきたいと
思っております。

もう1点は、この働き方改革も話題になっておりますけれども、これを考えることは必要だと思っています。
そして市内の方々が一体どういうニーズがあるのか、これは丁寧にぜひ次のいろいろな施策の段階で、
調査していただきたいと再度要望いたします。なぜならば、この世田谷区は今回、
場所、スペースをつくるということでしたけれども、この働き方改革にかかわる区内調査において、
世田谷区では働く場所について3割以上が、小学校低学年までは自宅近くのサテライトオフィスや在宅勤務で働きたいと思っているということが明らかになりました。

そして、今後きっと幼稚園に通っている家庭も、どこかではやはり働きたいなとか、何かしたいなと思っている潜在的な働く意思というのは、結構感じるところでございますので、
そういった現況の就労の有無だけではないところ、希望とかキャリアプランの意思といったものもしっかりと捉えた上で、子ども政策を展開していっていただきたいと思います。
そしてこれは最終的に待機児対策にもつながることだと思っておりますが、いかがでしょうか。
この2点お願いします。

○市 長(松下玲子君)  再質問にお答えいたします。
まずは財援団体の法定雇用率です。
障害者の法定雇用率がなかなか達成できていないところがあるという点に関してかと思います。民間企業としての位置づけで法定雇用率も2.0%が適用されているのですが、先ほども御説明申したように、特に武蔵野市給食・食育振興財団ゼロ%、その業務内容からもなかなか応募自体がないという状況でございます。
そうした中で、各団体が主体となり、法の趣旨に照らし、法定雇用率、適切に障害者雇用の取り組みを行うべきものであるとの理解ではございますが、市も各団体の指導監督者でございますので、必要に応じて制度について引き続き周知徹底し、また他の障害者団体の方の御意見も伺う中で、各団体の取り組みを促したいと考えます。

続きまして、がんの部分は御要望ということで承りました。

職住近接の御要望というか、そうした潜在ニーズをどのように把握していくのかというのは、把握の方法は非常にこれから研究が必要かと考えます。
世田谷区も区内の産業について調査を行っており、武蔵野市でも産業振興計画改定の資料としてでは
ございますが、市内の産業実態調査として、働くことに対する考えなどを伺っております。

市内にある事業者に伺っているのでございますが、市外に今は勤めているけれども、
例えば幼稚園に通っている間とかは本当は家の近くで働きたい、そうした潜在ニーズとしてあるものを
どのように方法として把握していくのか、子ども・子育て応援宣言の実現という立場からも研究をして、取り組んでいきたいと考えます。

以上です。

○13番(笹岡ゆうこ君)  わかりました。産業実態調査で調査しているということでしたけれども、
やはりそれは子育て世代が中心となっているというのと、またちょっと違うのかなと思っております。

どういう手だてでやったらいいかというお話でしたけれども、御提案申し上げているとおり、やはり母子手帳配布時のヒアリング、これは家庭センターもそうですけれども、ゆりかごむさしのさんが相当頑張っていらっしゃる。増員していただきたいと前の一般質問でさせていただきました。やはりこういったところで、対面でのヒアリングというのは大きいのではないかと思っております。プラスアルファで、全市的な未就学児の家庭調査、ここら辺に入れていただきたいなと思っておりますので、こちらも強く要望させていただきたいと思います。

世田谷区のこのスペースについては、私たちの周りでも、非常に子育て世代の評判というか、期待値が大きいのです。非常に先駆的だななどと思っております。武蔵野においてはまだ、ちょっと研究ということでございましたが、前向きに検討していただきたいなと思っています。私もそうなのですけれども、外でどこかで子どもを見ながらちょっとだけやりたいとか、そういったことは結構あります。

そしてこの世田谷区でこれを導入するときにおもしろいなと思ったのは、想定される利用者として、在宅勤務の可能な人、復職を考えている人、そして育児休業がとれないフリーランス、そういった方も対象にしているのです。この方々はやはり保育園に入りづらいというような悩みもございます。

そして幼稚園のお迎えの後や幼稚園の夏休み中などに活躍したい方、こういったいろいろなニーズを予想してやっているものですので、こちらは前向きに研究、検討していただきたいと要望させていただきます。

もう一つ、このベビーシッターに関しては、私も待機児対策としては違うと思っています。第3の手段だと思っています。しかし、これは手を挙げないと、東京都の補助金もおりてこないわけですよね。ですので、こちらもしっかりと前向きに研究していただきたいなと思っています。

多分コンシェルジュさんにそういった声は届いていないのですとおっしゃると思うのです。しかしながらコンシェルジュさんに相談しに行く方というのは、本当に認可に入れてほしいという方、本当にフルタイムで働きたいのだと心から言っている方だと思いまして、この潜在的な保育ニーズとか、そういったこととはまたニーズが少し違うのかなと思っております。

私は、世田谷のこの不承諾通知のことについて伺いましたが、これはちょっと背景を説明させていただきたいのですけれども、結構聞くのです。これは武蔵野とかではなくて、私の周りで結構聞くのです。これは待機児対策とか、入りたい、園に入れなかったとか、そういった本当に大きな問題があると思っています。
しかしながら、この親が攻撃されることではないのではないかと思っています。これは強く誤解されないようにしていただきたいと思います。なぜならば、そもそも復帰したいときに復帰できないというこの仕組みが生んでいること、もう一つは、保活が熾烈過ぎるということのあらわれだと思っています。武蔵野は一定数ということですが、世田谷を見てみると、800人中190人なのです。結構な人数です。

そしてこれはお母さん同士の対立というか、亀裂も生んでいるのです。本当に入りたかったのに、あの人は断ったのだ、だから入れなかった、そういった声も結構聞いたりして、余計な対立を生んでいることだと思いますので、世田谷などは国に対して、不承諾通知を求めるのは国の制度に問題があるとして、内閣府のほうに要望をしています。そういった前向きな姿勢で、やはりこの制度のあり方について考えていただきたいと思うのですけれども、お考えがあれば伺いたいと思います。

あともう一つ追加で、これはまた提案なのですけれども、この世田谷のワークスペースのことにちょっと戻りたいと思います。なかなか難しい、研究するとおっしゃったのですが、これは私は市内の創業支援場所と結構相性がいいのではないかなと思っています。もともとあれは地方創生加速化交付金の女性の創業を支援するものだったと思っておりまして、割と若い人が集っているのです。MIDOLINOとかスタートアップカフェとかも、結構若い方もたくさんいらっしゃいます。そういった部分で、この相性のよさというのも注目していただきたいと思います。これは要望にしたいと思います。

もう1点は、最後のコミュニティについてです。こちらは少しだけ説明させていただきたいと思いますけれども、このコミュニティについて、先日も松下市長が、地域とかいろいろ難しいところがあるとおっしゃっていましたが、今回、私たちは豊かさとは何かと考えているのですといったところで、結構若い世代、初めてコミュニティ活動するような方々が、無数に集まっていると思っています。始まりはそのMIDOLINOとかだったかもしれないけれども、どこでも集まっていると思っています。

そこで例えば、趣味的なものではなくて、社会的な課題をどうしたら解決できるかなどというのを、いろいろな人たちが手を変え品を変えメンバーを変え、集まっているというのが印象です。例えば子ども食堂も、手弁当で何軒か始めていますよね。私の周りも、そういった子ども食堂的なことをやっていたりとか、それで学生と一緒になって連携して、成蹊大学のボランティアの方々と一緒になってやっていたりとか、それが派生して、酪農体験で子どもたちを自然体験させようと連れていったりとか、成蹊大学を案内させようとか、そんなふうにやっているのです。

学校の先生が何人か集まって、働き方とかこれからの生き方とかについて学びを深めながら、地域で何ができるかと考えたりもしているのです。
自治体としてはちょっと見えにくいところではございますが、そういった動きがあるということを認識していただいた上で、それらはまた、地域には限られないのですけれども、全市的にプロジェクトごとに集まるという特性もありますので、そういったところで多層的なコミュニティをコミュニティ構想として展開していただきたいと要望いたしますが、何か御意見があればお願いいたします。

○市 長(松下玲子君)  2点に関して追加で御質問がございました。
まず、不承諾通知の件でございますが、世田谷区で保育園に入れずに、法定育休の延長手続を行う可能性のある保護者を年間800人程度と見込んでおり、その中で不承諾通知の取得が目的、育休延長が目的とされる保護者が最大で190人程度いるという推定のようでございましたので、この推計の数字の根拠については世田谷に聞き取りを行いました。

そうしたところ、平成29年4月入所の保留者のうち、4月に1歳になる児童が70名、これを12カ月分、倍にした数が840名、800名が育休延長者、そのうち単願希望者、たくさん書ける中で、本当に1カ所だけ単願で書いている希望者が16名であることから、それをまた12カ月倍にした数で、192名、190名ということで、800名という数字には信憑性があるのかなと思われますが、192名については、年度途中での単願申し込みは4月一斉入所児と件数に乖離があるため、単純に12倍で算出したという数字は、やや根拠に乏しいのかなとも思われます。

いずれにしましても、これは育児・介護休業法の改正で、不承諾通知があれば法定育休の延長手続ができるということで、その取得目的での申請というのが改めてことしの現象であるのかなと把握をしております。この法改正の趣旨とか目的がやや逆になってしまっているのではないか、本来入所を希望されている方にも実際には影響を及ぼしている現状があるのかなと考えております。

続きまして、若い世代の方の新たな動きや、そうしたコミュニティについては、しっかりと研究していきたいと思います。私が別の方の御質問でお答えをしたのは、保育園というのを新たな地域での資源として捉えたときに、そこで集う親御さんたちのつながりだったり、新たなコミュニティとしての動きがあるのですが、子どもが大きくなると、小学校に入ると、そのままそこの保育園を単体とするコミュニティが続いていくのはなかなか難しいという意味でお答えをした次第でございますので、若い世代の方々が地域に積極的にかかわってくださる、保育園を通じてだったり、新たな別のテーマだったりプロジェクトだったり、そうしたことで地域に関心を持って、新たなつながりを持つということについてはしっかりと注目をして、新たなコミュニティの流れとして研究をしていきたいと考えております。
以上です。