一般質問議事録「子ども権利、いじめ、障がい児支援など」(平成29年12月)

一般質問議事録「子ども権利、いじめ、障がい児支援など」(平成29年12月)

2017年の12月議会において、「子ども・福祉の視点から人権が尊重される共生社会の実現を、について」を一般質問しました。

ファイル 2018-01-18 18 27 31

社会全体で格差が広がり、競争と自己責任論が広がっています。
そんな時は必ず、子ども子育て分野や高齢福祉分野など支援が必要な分野に
批判の目が向けられます。

そうではなくて、一人一人に対して公平で平等に権利を保障し、生活を支える使命がある自治体だからこそ、

全ての人にとって優しいまちかどうか、人権と多文化共生社会についての理解とその取り組みをしていかなければいけないと考えています。

私が人権尊重について考えるきっかけとなったものは主に2つ。

1つは立教女学院時代の人権教育です。

聖書に出てくるハンセン病について学んだこと。その回復者の方とお話ししたこと。

そして議員になってからは「全生園」という
元隔離施設・現回復施設に視察に行ったこと。

全生園

ジャンボくん、ありがとう!

もう一つは、祖父が要介護度5のパーキンソン病で在宅で一緒に過ごしたことです。

33cfa901df1af5260666419d7ec81aa8

全ての自由が利かなくなる中、人が生きるとは何か、命と尊厳について

身を以て祖父に教えてもらったように思います。

人が生を受けてから命を全うするまで、等しく人権が保障されて、尊重され、足りないところがあれば支え合い、補い合い、助け合う社会をつくらなければいけないと、そう思っています。

<一般質問 概要>

⚪︎子どもの権利は全ての人権の基盤となるものです。

子どもを権利の主体と捉えること、日本はまだ遅れていると国連からも指摘を受けています。

子どもの権利条約の概念(子ども自身が権利の主体であり、一人一人が愛されて、見守られながら成長し、社会の一員として尊重されるべきである)
を、
子どもの権利条例を設置するか、
松下市長が掲げている「子ども子育て応援宣言」に載せて発信すべきではないか。


市政方針だけ読むと、このことに関する理念が薄いと思ってしまうからです。

市長の答え:本市には子どもの権利条例そのものはありませんが、子どもにとって重大な人権侵害である児童虐待の防止、早期発見、対応を目的とした武蔵野市児童虐待の防止及び子育て家庭への支援に関する条例を制定しているほか、
子どもの人権に対する考え方や権利の保障の実効性については、憲法や関連法令に加え、子どもプランの中にしっかり示されているものと認識をしています。

子育て応援宣言の実体化について、長期計画策定も含めてふさわしい形を検討していきます。

children_02

⚪︎次にいじめ対策と人権教育に対する考えについて。

わたしの親族はいじめにあい、解決されないまま卒業式も出られませんでした。

私はかなり学年が離れていますが、いじめている側がの上級生が下級生である私のところにまで来たこと、

当人がいじめによって不当に人権を傷つけられ、自己肯定感を失っていったこと、

その姿に家族も傷ついたこと、そして長い時間をかけて必死にその傷を乗り越えてきたこと、

それらをしっかりと覚えています。

文科省の調査によると不登校の数は過去50年間で割合が一番多く、
2016年の警察庁の統計によると、年間で320人の小中高生が自殺で亡くなっています。

(この原因の統計では、36.3%が学校問題と最も多い)

各自治体の工夫として、大津市はいじめ専門の教師と、市長が指揮をとるいじめ対策推進室を設置。
可児市は子どものいじめ防止に関する条例で、いじめ問題対策連絡協議会を設置。
柏市はアプリでの匿名の通報する取り組み、また長野県教育委員会はLINEによる悩み相談。
長野県のLINEの悩み相談は、前年度1年間の電話相談件数259件、これを短期間で上回る3,500件のアクセスがあったと話題に。

何よりも教育現場でのシティズンシップ教育を大切にし、関わる全ての大人が本気を出さないと解決できない

いわば社会全体の問題であると考えます。

教育長の答え:本市のいじめ認知件数は82件、小学校62件、中学校20件でございまして、前年度の41件、これは小学校33件、中学校8件から、2倍にふえております。(いじめ解消率は100%)

本市ではいじめ防止基本方針に基づき、定期的なアンケート調査や、小学校第5学年及び中学校第1学年を対象としたスクールカウンセラーによる全員面接等をしています。
一人一人の人権意識を高め、教員と子どもたちとの信頼関係を確立し、子どもたち一人一人が互いに尊重し合い、自他を敬愛する態度の育成を図るとともに、いじめなどさまざまな人権課題の解決を目指し、学校、家庭、地域、関係諸機関が緊密に連携し、子どもたちの望ましい人間関係を育成するよう今後とも努めてまいりたいと考えております。

003738.smpl.png

次に、障がい児支援の一層の推進について。

kurumaisu_boy

特に、障がい児の移動支援については、ニーズがありながらも全然足りていません。

親御さんによると移動支援のガイドヘルパーさんは、決まったところで、決まった方々とマッチングしてあるということで、
新しく小さなお子さんが事業所に申し込むと、何年もかかり、いつ回ってくるかわからないよと言われるそうです。

市長の答え:障害児の移動支援について、対策の現況と今後の解決策についてでございます。移動支援についての利用実績は毎年伸びており、利用希望者の増にヘルパーの供給が追いついていない状況となっています。

知的障害者ガイドヘルパー養成は年2回、市内事業者が実施し、市が補助を行っており、今後もヘルパー養成については継続していきます。放課後等デイサービス事業は、平成26年度より施設開設準備補助を行い、着実に施設整備を促進してきており、利用者が年々ふえています。

今年度より開設準備補助の対象を見直し、まだ充足されていない肢体不自由児が利用できる事業所、送迎つきの事業所にシフトしたところであります。

次に、、みどりの子ども館の福祉避難所登録を含めた災害時の備蓄対策の推進について。

hukusihinanjo

以前の一般質問でも災害時の対応についてやりましたが、

当該の御家族たちも災害時にどうしたらいいのか全然わからない現状でした。

普通の避難所に行ってもきっとなじめないだろうとか、きっとすぐ車中泊になってしまうだろうということで、どこを拠点にして救援物資をもらいに行ったらいいのかとか、そういったこともわからずじまいでした。

ふだん通っているみどりのこども館やウィズなどでは現状布団がないですし、備蓄の改善をしていくすべがあれば、

最善を尽くしていっていただきたいと、こちらも要望したいと思います。

市長の答え:みどりのこども館は社会福祉法人武蔵野が指定管理により、おもちゃのぐるりん、地域療育相談室ハビット、こども発達支援室ウィズの運営を行っています。同法人に備蓄品の状況を確認しましたところ、水やビスケット、粉ミルク、おかゆなど、乳幼児用の非常食を中心に備蓄を行っているとのことでございます。福祉避難所は、その性質上、耐震耐火、鉄筋構造に加えて、バリアフリーを備えた建物がふさわしいと考えています。

また、障害者のニーズに応え、障害特性に応じたケアを提供するためにも専門スタッフの配置など、避難所の受け入れ体制の整備について検討する必要があります。このような観点から、課題や問題点を整理した上で、みどりのこども館の福祉避難所の指定について今後検討を進めていきたいと考えます。

最後に、今後は福祉分野全てにおいて、地域人材の掘り起こしが課題です。特に、個別ニーズとのマッチング機能と、
コーディネート機能が求められるのではないでしょうか。

そこで注目しているのが「地域包括ケア推進人材育成センター(仮称)」です。

まだ計画段階ですが、今後に期待しています。

市長の答え:地域人材の掘り起こしについては、65歳以上の方を対象に、介護支援のボランティア活動に応じてポイントを付与するシニア支え合いポイント制度によって、担い手の裾野を広げています。

また、武蔵野市認定ヘルパー制度によって、ホームヘルパー等の資格を有しない人でも仕事として高齢者ケアに携われるような仕組みも確立をしています。

また、武蔵野市福祉公社では、介護職員初任者研修修了者が市内事業所に継続して勤務した場合、受講料の8割をキャッシュバックするケアキャリア制度を実施しております。

また、地域包括ケア推進人材育成センター(仮称)では、従来から実施してきたこれらの多様な施策を連携させ、総合的に実施する仕組みを検討することで、担い手の裾野をさらに広げるとともに、支援技術の向上とサービスの支援の向上を進めていきたいと考えております。

images

↓↓やりとりの全てはこちらから↓↓

笹岡ゆうこ 一般質問12月議会議事録

ご意見等あればお寄せください。お待ちしております。