子ども子育て分野と、高齢者福祉分野におけるコロナ禍の振り返りと、それらを踏まえた今後の市の取 り組みについて
保健センターの大規模改修に伴う、これからの子育て世代包括支援センターについて
不登校、LDの児童生徒への支援を一層進めていくことについて
武蔵野らしいこれからの地域包括ケア及び認知症について
武蔵野市福祉公社等について
今後立て続けに整備されていく小・中学校の改修改築と、災害時の避難計画について
今回はこのうちの③、LDを持つ児童生徒への支援を一層進めていくことについて、の議事録を載せます。
質問-2、LDを持つ児童生徒への支援を一層進めていくことについて
学習障害、ラーニング・ディスアビリティ――以下、LDと呼びます――とは、知的発達に遅れはないものの、読むことが苦手なディスレクシア、書くことが苦手なディスグラフィア、算数が苦手なディスカリキュリアなどがあるとされ、学齢期になってようやく気づかれるものがあるものです。
学習障害のある、LDを持つ児童生徒の現況を伺います。今後、啓発も含めた理解促進を進めていくべきだと考えますが、市のお考えを伺います。
学習障害のある児童生徒の現況についての御質問ですが、各学校において、読み書きに困難のある児童生徒に気づいた場合には、児童生徒の状況に応じて、特別支援教室の利用につなげて支援するほか、通常学級の中での合理的配慮の提供により、個別に支援を行っております。
例えば、ルビつきの教材の使用やリーディングルーラー、これは定規にスリットが入ったような形で一行一行に集中できる、そういったものですけども、そういったものの活用や、教員によるテストの問題読み上げや試験時間の延長、定期テストの別室受験や学習者用タブレットの活用などを行っております。
児童生徒が読み書きに困難を抱えていても、児童生徒が自らの特徴を自覚することは難しいことが多いため、教員や保護者など周囲の大人が気づくことが重要であると認識しています。
東京都教育委員会からは児童生徒の状況を把握し、支援するためのアセスメント方法を開発して、ホームページでの情報提供を行って、学校に周知を行っています。
教員の気づきにつなげているところです。
教育支援センターでは、教育相談として個別の相談に対応するほか、センターで実施する講座のテーマとして学習障害や発達障害を取り上げ、保護者向けに周知・啓発をしています。
今後も学習障害の理解促進のため、保護者、教員向けの啓発に努めるとともに、合理的配慮の提供についても情報共有や周知に努めてまいります。
<再質問>
LDについて、これは意外に、そもそも気づかれることが少ないと言われています。
見た目では分からないし、子どもも自覚がないし、だけれども、クラスに二、三人、10人に1人くらいはいるのではないかと言われているものです。
ほかの特性が組み合わさっているパターンもあります。
私がいろいろな方から、お一人ではなく、お話を伺っていたのは、やはり気づかずに子ども一人が困り感の中にいる可能性があるということが問題だと思っています。
だからこそ、このように取り上げて、啓発とか理解促進をしていただきたいと思っています。
中には、学校でスクールカウンセラーの先生が見てみたけれども、ついていっているではないかと思ったパターンもある。だけれども、病院に行ったら、そういうふうなことが判明した、そのくらい分かりにくいことなのだということを自覚して、私たちはこれから、その子どもたちが困り感の中にいて、そのままにされないような工夫が必要だと思っています。
中には、原因が分からないで、朝早く起きてたくさん漢字の勉強をしたり努力しているのに、努力が足りないと心ない言葉を受けないような、環境とか社会のボトムアップの部分が必要だと思っています。
この現状に関しては、クラスに二、三人いるかもしれない、10人に1人ぐらいいるかもしれないと言われている中で、病院で、ではどういうことが苦手なのだろうかという詳しい検査をするWISC検査というものが我々の想像を超えて混んでいるということが分かりました。
まず、月初めの10時に2か月先の初診を取る。その電話も、家族みんなでかけてつながるかどうか。そのチャンスが失敗したら、いっぱいだったら、それはまた次の月に2か月先を取らなければいけない。
このくらい混んでいるということなのです。つまり、その間は分からないまま過ごす。つまり、何が必要かというと、現場の支援とか工夫とかが必要なのだなということになっています。
その挑戦された方は、コンサートチケットを取るくらい混んでいるのだというふうなお話だったので、この現況をぜひ知っていただきたいなと思っています。
という意味で、これは練馬区の、文化協同ネットワークさんが作ったチラシなのですけれども、クラスに二、三人いる読み書きが苦手な子どもたちということで、いろいろな活動があります。これの冊子とかもあります。そういったことをより進めていっていただきたいと思いますが、もう一度いかがですか。
・あともう一つ、そういった子たちが、やはりおっしゃったように、ICTの活用とか、音声入力アプリとか、PCのキーボード入力とか、音声ペンG-talkを使ったり、電子教科書を使ってはどうかということを小児科の先生に言われたりするそうなのですけれども、やはり現場では、子どもたちは見た目は分からないわけであるから、ずるしているのではないかと思われてしまうのではないかといった不安とか、目立ち過ぎてしまうのではないかといった心配があるという声を聞いています。
ですので、これこそやはり社会全体の理解の底上げが必要だと思っているのですけれども、そこの部分に対して、お考えをもう一度伺いたいと思います。
目が悪かったら眼鏡をかけるし、書くことが苦手で書くことにとても疲弊するのであれば、ICTを活用していけるような全体的な雰囲気づくり、そういった部分も必要だと思っています。
前向きにトライしていって、ポジティブな雰囲気でやっていただきたいと思いますが、いかがですかということを伺います。
・WISC検査などがなかなか受けられないということも少し、そういう状況については把握をしておりますが、教育支援センターの相談員なども、なかなか時間の都合などを合わせることが難しい点もありますけども、こちらについても、なるべく検査の機会につながるように努めてまいります。
それから、教室で子どもたちの様々な困難に気づくということは大事だと思います。
以前にもお話ししたかもしれませんけども、国語の伝説的な教師で大村はまさんという方が、黙読が苦手な子どもたちに早くに気づくことの重要性を何回も言っていました。
発達障害とは別の面もありますけども、そういった意味で、先生たちが教室で子どもの困り感に気づくということで、先ほど御紹介したような、東京都もアセスメントを割と具体的な例を挙げて小学校・中学校別に出したりしていますので、そういったことも含めて、より先生たちが気づけるよう、身近な大人が気づけるようなところにつなげていきたいと思っています。
それから、合理的な配慮がどのように、ずるをするというか、受け入れられるかというのは、その合理的配慮を受ける子どもたちにとっても大事なことだと思います。
私が見た範囲では、例えば教室の中でパソコンを使っているとか、あるいは別室で試験を受けるとか、周りの子どもたちは割と自然に受け入れているようです。
それは、学校の中での御努力であったりとも思いますけれども、そういったことが懸念されることがないように、これからもそういったことが行われるように図ってまいりたいと思います。
<一般質問全ての答弁のまとめとして>
学習障害のお話や認知症のお話もさせていただきましたが、一人一人の方々の特性がそのままで安心して暮らせるような武蔵野市をこれからつくっていっていただきたいと思っています。
公共施設の再編もそうですけれども、そういった場づくりとか機会づくり、居場所づくり、そういった部分も力を入れていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
様々御要望も含めて御質問いただきました。やはり大切なのは、一人一人が尊厳を持って生きられる、一人一人が尊厳ある生を全うできるように、支えていく仕組みが大切であり、その仕組みというのは、市だけではなく、財援団体や民間事業者も含めて共同で取り組んでいかなければならないという認識を持っております。
ただいまちょうど様々な計画の策定期でございますので、そうした計画づくりの中に、この3年半のコロナ禍の経験や体験も踏まえて御議論をいただいて、よりよい計画づくりをしていきたいと思っております。