平成28年度の決算審査において、賛成をしました。
今回の決算のポイントのひとつとして、財政援助出資団体(以下、財援団体)に着目しました。
(討論の一部)
この間、国や都も、子ども・子育て施策について危機感を持って、ようやく取り組みを始めました。
子ども・子育て施策を積極的に進めていくことは、結果的に自治体を支え、まち全体に還元され、
自治体を持続可能なものにすると思います。そのための方策の一つとして、財政援助出資団体にも注目しています。
全ての財政援助出資団体で子ども・子育てや地域に関する施策をそれぞれが進めていくこと、
そして連携し、ネットワークを構築していくことは、大きな前進につながると考えています。これは本市だからこそできる強みであるとも思います。
財政援助出資団体が多いのではないかという議論もありますが、無駄を省くにも限界があります。
地域の課題解決に対しどのようなミッションを持ち、培ってきた社会資源をどう生かしていけるのか、
それが問題だと思っています。子ども・子育て支援や、つながる地域づくりについて取り組みを一歩ずつ進め、それらが連携することで
全体として大きなうねりとなり、これが子ども子育て応援宣言の実体化にもつながるのではないでしょうか。
これらの指摘を来年度の予算編成に生かしていただけますよう要望いたします。
最後に、いつも丁寧に向き合ってくださる職員の皆様に感謝申し上げ、賛成の討論とさせていただきます。
________賛成討論全文________
それでは、会派、空を代表いたしまして、平成28年度一般会計、4特別会計決算に
賛成の立場で討論をいたします。
平成28年は熊本で大地震が起こり、豪雨による二次災害とあわせると、犠牲者は165名、
負傷者は2,600名に及び、改めて自然災害の恐ろしさを実感するとともに、
被災された方々の復興を願います。
また、オバマ前大統領が現職のアメリカ大統領として初めて被爆地の広島を訪問したこと、
また、障害者施設で大勢の入所者が殺されてしまったことなど、
平和の大切さや人権と共生社会についていま一度深く考えさせられる出来事がありました。
本市では、「一人ひとりを大切に 文化をはぐくみ 未来につなぐ予算」として編成され、
決算は歳入709億4,994万9,000円、歳出は685億1,808万3,000円で過去最大規模となりました。
財政力指数1.489、公債費負担率3.9%と良好であり、公平公正で堅実な財政運営が
されてきていることは大いに評価すべきことです。
しかし、国の借金である国債発行残高は865兆円に上り、将来世代が相当疲弊することは明らかです。
今後も子どもたちの世代にツケを残さない市政運営に努めていっていただきたいと、
これは子を持つ親としても要望いたします。
歳入については、個人市民税が市の財政を大きく支えていて、
市民の担税力の高さは本市の特色です。
これは市民の方に一定の高いレベルで行政サービスを提供し、そのサービスには
行政側の理念やメッセージが必要なことをあらわしています。
自治体の持続可能性を高めるためにも、子育て世代や高齢者世代を支える
ファミリー世帯の誘致について、引き続き重点的に取り組んでいただきたいと思います。
ふるさと納税による税収2億円減については、これに対し、
ふるさと納税を自分のまちに寄付していただき、特定の目的を持った基金として運用
していくという世田谷区や三鷹市の取り組みなどを参考に、
今後これ以上のダメージとならないよう、また、武蔵野市の方向性についてメッセージが
発信できるような積極的な対策をとるべきだと考えます。
大きな歳出としては、市民文化会館の改修、新クリーンセンターの建築がありました。
議会からもさまざまな意見がありましたが、結果的に両施設ともすばらしいものとなり、
本市の財産となったことを評価いたします。
次に、詳細について述べさせていただきます。
総務費です。コミュニティセンターについては、邑上前市長が、コミュニティというと
コミセンという誤解を一度解いて、地域のコミュニティがどうあるべきか考え直し、
次期コミュニティ構想に生かすべきとおっしゃっていました。
今後は、乳幼児や子ども、親子連れ、障害のある方などがもっと利用できるような
仕組みづくりとコーディネート機能の拡充も求められていると思います。
次期長期計画とコミュニティ構想の検討の中で、全市的な抜本的議論が必要と考えます。
市民文化会館については、ハード面が整ったので、ソフト面について、
公益財団法人武蔵野文化事業団を中心に新しい層の獲得に努めていただきたいと思います。
文化事業をよりオープンなものにするための議論も必要です。
幼稚園の預かり保育を夏休みなどの長期休暇中も行っていただける園、
2園に試行として支援拡充をしました。
現状、ほぼ全ての幼稚園で夕方まで預かり保育に取り組んでいます。
幼稚園にとって、子どもたちにとって、ハード・ソフト両面の環境整備が実施されているかなど、
現況把握をしっかりと行い、一層の支援拡充について検討していただきたいと思います。
おのおのの幼児教育の歴史を評価しながら、防災連携などの課題などに
取り組んでいただけるように要望いたします。
次に民生費です。今後の超少子高齢化社会において、扶助費に係る民生費の増加が
見込まれています。
しかし、待機児対策を初めとして、行き過ぎたコスト論に陥らず、
それらが地域社会における大切な資源を生み出していることにも着目しながら、
しっかりと対応していただきたいと思います。
いきいきサロンがふえて、特別養護老人ホームが開設、シニア支え合いポイント、
グループホーム支援、重症心身障害児(者)レスパイト事業など、また、
放課後等デイサービス開設準備支援など、高齢者・障害者福祉分野においては
ハード面でもソフト面でも着実な進歩があり、大変評価すべきことです。
福祉にかかわる人材の裾野を広げ、育成していくことは喫緊の課題です。
シニア支え合いポイントやいきいき支え合いヘルパーなどの、
年齢、分野を超えた御協力について検討が必要と考えます。
現在策定が進められている次期健康福祉総合計画の内容を見守り、24時間安心して
住み続けられるまちの実現のために、一層の取り組みに期待しています。
子ども協会に関しては、学童とあそべえを運営する地域子ども館事業がモデル事業で始まり、
0123も好評です。
子ども・子育て支援の核として大変な御尽力をされてきたことに感謝申し上げるとともに、
より一層地域に出ていただくリーダーシップやコーディネート、団体間連携なども
期待していきたいと思います。
社会福祉法人市民社会福祉協議会に関しては、昭和37年設立と歴史も深く、
地域を支える人づくりを進めてきたことを評価するとともに、今後は子どもの貧困対策を含め、
子ども・子育て関連の取り組みも一層進めていただきたいと思います。
商工費です。地方創生の名のもと行われたプレミアム商品券の検証を求めるとともに、
執行率の低さが数年続いている事業に関しては、
無理にハードルを下げて予算を消化するのではなく、予算配分そのものについて再考の必要があると
再度指摘させていただきます。
創業支援に関しては、新しい担い手によるコミュニティの再構築も模索されているところを
評価いたしまして、今後も注目、支援していただきたいと思います。
アンテナショップ麦わら帽子の赤字に関しては、小売業全体の不況も
考慮しなければいけないと考えます。
9つの友好都市とのモノ・コト・ヒトの交流や、これまでの関係性を大切にしながら、
引き続きの経営努力をお願いするとともに、事業そのものの再検討については
丁寧に進めていただきたいと思います。
土木費です。三鷹駅北口街づくりビジョン(仮)や景観まちづくりについての
取り組みがされました。吉祥寺まちづくり基金の積み増しに関しては、
吉祥寺という大きな商業地域の将来への準備として引き続き着実に取り組んでいただきたい
と思います。
また、開発公社のコピス大規模リニューアルについて、グリーン、家族、コミュニティといった
ブランディングを大きく評価するとともに、今後も特色ある吉祥寺のまちの持続可能性について
研究を進めていただきたいと思います。
吉祥寺グランドデザインの改定を進めるに当たっては、その実効性をどこまで担保するのか、
現行デザインの検証も含め、議論が必要と考えます。
衛生費です。母子保健事業については、地道だけれども、母子を支える大変重要な取り組みを
評価するとともに、今後も必要な方に支援が届くよう、顔の見える関係づくりに期待します。
放射線対策事業に関しては、福島第一原発の廃炉が相当期間かかることを鑑み、
市民の安心のために今後も予算が削られることのないように要望いたします。
新クリーンセンター建築に関しては、多くの方々に見学をいただいています。
安全な運転に注力していただくとともに、
人が滞留できる広場があることなど、オープンスペースとして今後の活用に期待します。
また、地中熱活用システムが導入されたむさしの自然観察園も含め、
再生可能エネルギーや環境問題の啓発について、市を挙げて一層推進していただきたいと思います。
健康づくり事業団に関しては、地域との連携状況を評価するとともに、
健康意識の低い若年層や子育て世代への意識向上と病気の予防についての
啓発をお願いいたしたいと思います。
乳がん検診に関しては、三鷹市の例を参考に、乳がん検診対象年齢を40歳から30歳に引き下げ、
超音波検診も併用できるように再度要望いたします。
骨髄移植ドナー支援については、28年度から市の独自事業になりました。
1人でも多くの方を救えるよう、今後の啓発に期待いたします。
消防費です。市内全市立小・中学校に災害時用トイレが設置されたことは、
防災対策の大きな前進として大いに評価しております。
今後は、命にかかわる問題であるアレルギー対応食品の備蓄を進めることに加え、
災害時のアレルギー支援物資受け入れ窓口についての検討も要望いたします。
教育費です。小中一貫の義務教育学校設立の検討に関しては、
決算委員会の中でも疑問の声が多く出されました。
検討委員会での議論を見守ってまいります。
今後の武蔵野市の教育の骨格にかかわる問題ですので、議会でも議論を続けるとともに、
市長におかれましては子どもの最善の利益を基本とした慎重な判断をお願いいたします。
子どもたちの教育や忙しさがどんどん前倒しされ、低年齢化しているという実感があります。
インクルーシブ教育の概念を大切にしながら、
私立を過剰に意識するのではなく、学校はみんなの学校であることを
いま一度確認させていただきます。
教育こそ未来への投資です。特別支援教育の充実、就学支援など、
教育格差が生まれないよう力を合わせていただきたいと要望いたします。
また、先生いきいきプロジェクトの推進で、
先生方がより一層子どもに向き合える仕組みづくりを進めていただきたいと思います。
生涯学習事業団に関しては、武蔵野プレイスの成功や親子向け事業や託児などの
日ごろの取り組みを大変評価いたします。
今後、吉祥寺図書館を初め、生涯学習の分野で一層の役割を担っていくことを
期待しています。
この間、国や都も、子ども・子育て施策について危機感を持って、
ようやく取り組みを始めました。
子ども・子育て施策を積極的に進めていくことは、結果的に自治体を支え、
まち全体に還元され、自治体を持続可能なものにすると思います。
そのための方策の一つとして、財政援助出資団体にも注目しています。
全ての財政援助出資団体で子ども・子育てや地域に関する施策をそれぞれが進めていくこと、
そして連携し、ネットワークを構築していくことは、大きな前進につながると考えています。
これは本市だからこそできる強みであるとも思います。
財政援助出資団体が多いのではないかという議論もありますが、
無駄を省くにも限界があります。
地域の課題解決に対しどのようなミッションを持ち、
培ってきた社会資源をどう生かしていけるのか、それが問題だと思っています。
子ども・子育て支援や、つながる地域づくりについて取り組みを一歩ずつ進め、
それらが連携することで全体として大きなうねりとなり、
これが子ども子育て応援宣言の実体化にもつながるのではないでしょうか。
これらの指摘を来年度の予算編成に生かしていただけますよう要望いたします。
最後に、いつも丁寧に向き合ってくださる職員の皆様に感謝申し上げ、
賛成の討論とさせていただきます。