12月議会一般質問「『グローバリズム』が、地域経済・地方自治に与える影響について」議事録です

12月議会一般質問「『グローバリズム』が、地域経済・地方自治に与える影響について」議事録です

2016-12-19

一般質問 
『TPPに象徴される「グローバリズム」が、地域経済・地方自治に与える影響について』
の議事録が出ました。

今回は、人々の暮らし・生活・雇用・安全・地域経済・地方自治を守るためには
どのような対策をすべきか、といった問題意識を元に、質問をしました。

市長からは、「想定していない」「問題ない」ではなく、
「市への直接的な影響が及ぶ可能性がある」と認識し、「しっかりと自治体の立場を申していく」という
力強いご答弁をいただきました。

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市長答弁 まとめ

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12月議会 一般質問 TPPに象徴される「グローバリズム」が、地域経済・地方自治に与える影響について 

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*市長答弁 まとめ*

(笹岡)市が地域経済振興や地方自治の取り組みとして行ってきたもので、
今後TPP等によって参入障壁とみなされる可能性のあるものはどのようなものがあるか

(市長)仮にTPPが発効され、さらにその後の見直しにより適用範囲が市町村まで拡大された場合を仮定した場合には、
幾つかの取り組みにつきましても参入障壁とみなされる可能性があるというふうに認識してございます。

例えば、武蔵野市産業振興条例では、第8条で事業者の役割としまして、市民の雇用の促進、
事業活動における物資やサービスの市内調達、商店会及び産業経済団体への加入及び商店会及び
産業経済団体が実施する地域活性化事業への参加また応分の負担などに努めるものとしているところでございます。

特に大型店舗やいわゆるチェーン店については、商店会及び産業経済団体への加入等、
これらの団体が実施する地域活性化事業への参加及び応分の負担に積極的に努めるものと規定しておりますので、
このような点が参入障壁とみなされる可能性はあるというふうに考えております。

また、武蔵野市工事請負指名競争入札参加者指名基準においては、市内業者を優先して指名する規定があります。
水道工事及び下水道工事においても同種の規定を置いている点も、
このようなことも参入障壁とみなされる可能性もあるのではないかなというふうに思っております。

これらはあくまで一例でございまして、
現時点では、仮にTPPが導入されても規制の対象となるものではないというふうに思っておりますが、
TPPが導入され、さらに適用範囲が市町村のレベルまで拡大されることになった場合には、
海外の締約国からの自由な企業参入を妨げるものとして規制などの対象となる可能性があるというふうに考えています。


(笹岡)子ども関連サービス提供において、子ども協会などに対しての補助金など、
本市においてTPP導入により参入障壁とみなされる可能性のあるものはどのようなものがあるか。
同じく、福祉分野において参入障壁とみなされる可能性のあるものはどのようなものがあるか。

(市長)現時点では、そもそも地方政府の団体は対象外であること、
市の財援団体が行っているような非商業的な活動は対象外であること、商業的な活動に関しても取り扱い金額の基準が極めて高く
、それ以下であれば対象外であること、国内におけるサービス活動については対象外であることなどが挙げられます。

TPPについては、発行後に適用範囲の拡大について協議することとなっているため、
今後、これらの適用除外要件などが改められ武蔵野市や市の財援団体が対象となる可能性は皆無ではございません。

仮にそれらの状況になった場合でございますが、市の施策のうち子育て分野や福祉分野においては、
子ども協会や福祉公社などにおける指定管理業務やその他各種の市からの受託業務などは市からの補助金を受けながら実施している
という点で海外からの参入障壁とみなされる可能性がある、このように考えているところでございます。


(笹岡)学校給食に限らず、市の食材調達において、
韓国同様にISD条項に抵触となる可能性があるものはどれぐらいあるか。

(市長)学校給食については、この後、教育長から答弁がありますが、
武蔵野市学校給食の献立作成及び給食調理の指針を定め、その中で地産地消の推進について定めているところでございますが、
また、保育園の給食においても武蔵野市立保育園給食賄い材料購入業者選定要綱の中で、保育園が給食賄い材料を購入する業者は、
市内に店舗を有する者であるものとすると規定し、一部の例外を除いて市内店舗からの限定という形で
食材を調達しているところでございますし。
これらは今後、仮にTPPやFTAが発効となり、かつその適用範囲が拡大されることになった場合には、
海外企業の参入にとって不利益なものとしてISD条項に抵触となる可能性もございます。


(笹岡)地方自治体がするべき対策について、自治体はTPPの発効による危険性や懸念について認識し、
地域経済と地方自治を守るための対策を練るべきではないか、また、自治体同士の連携や連帯もすべきではないか。

(市長)現時点では市町村はその対象外というふうに認識してございますが、
仮にTPPが発効され、その後の見直しにより適用範囲が市町村まで拡大された場合には、御指摘のように、
市への直接的な影響が及ぶ可能性があるというふうに認識をしてございます。
地域経済のみならず、地域社会の健全な発展のために、市民、中小企業及び市内事業者等が日常生活や自由活動の中で
著しく不利な扱いを受けないよう、TPPの発効などに注意し、状況に応じ必要な対応策を検討していきたいというふうに思っております。
また、状況によっては、必要に応じて他自治体と連携して、あるいは市長会などを通じて国等に意見を申し述べるなどの
取り組みは行っていきたいと思っております。

——再質問———

(笹岡)TPP発効にかかわらず、地域振興をやっていくとのことだが、世界の流れを鑑みて、
今こそ地域振興・地方自治を振興し、人々の暮らし・安全・雇用・自治を守る施策を寝るべきだとかんがえるが、いかがか。

(市長)TPPに関しましては、先ほど来議員の御指摘のとおり、これが自治体までさまざまな影響が及ぼされるとなると
大変な課題になってくるというふうに思っておりますので、現在での心配いただきましたさまざまな事項についても、
我々は今後よく研究をしていきたいというふうに思っておりますし、政府がやることをそのままうのみにするのではなくて、
自治体としての立場をきちんと申していかなければいけないというふうに思っております。