12月議会 一般質問「TPPに象徴される『グローバリズム』が、地域経済と地方自治に与える影響について」

12月議会 一般質問「TPPに象徴される『グローバリズム』が、地域経済と地方自治に与える影響について」

2016-12-01

12月議会 一般質問
「TPPに象徴される『グローバリズム』が、
地域経済と地方自治に与える影響について」
を通告しました。

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暮らし、雇用、安全を守る為、地域振興・地方自治を

しっかりと推進していかなければならない、という内容です。

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平成28年11月28日
武蔵野市議会議長 深沢達也殿
提出者 13番 笹岡ゆうこ

市政に関する一般質問通告書

12月6日開会の第4回武蔵野市議会定例会で、

下記のことを市長と教育長に質問したいから通告する。

件名:TPPに象徴される「グローバリズム」が
地域経済・地方自治に与える影響について

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)とは、内閣官房TPP政府対策本部によると、
モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、
幅広い分野で21世紀のルールを構築するもの、としている。

TPP協定により、大企業だけでなく中小企業や地域の産業、
世界の成長センターであるアジア太平洋地域の市場につながり、活躍の場を広げて行くことが可能になり、
我が国の経済成長が促されるとしている。
そして、自由・民主主義・基本的人権・法の支配といった普遍的価値を共有する国々と共に
貿易・投資ルールの新たなスタンダードを提供する、としている。

しかしながら、秘密交渉であったTPPは、4年間の守秘義務があるため国会議員ですらその詳細を知ることが出来ず、
全容が明らかにされてこなかった。
日本はTPPにおいて、平成28年10月に大筋合意を発表し、11月には協定文書が公表された。
しかし、協定文書は英語で8320ページに及び、そのうち現在においても日本政府が和訳しているのは2328ページと、
全体の28%程度にしかならない。
また、各国の譲許表は翻訳されていないため、他国の交渉結果と比較することはできない。

しかし、TPP協定を和訳した弁護士らによるTPP分析チームや、経済学者等によると、
TPPによる市場解放・市場明け渡しが日本の国の形を根本から変えるものになり、
民主主義の本質に関わるものだと警鐘を鳴らしている。

地方自治体への影響としては、地域産業政策から住民福祉、
さらに第三セクターがからむ国有企業(公有事業)、投資、政府調達、
運用及び制度に関する規定、紛争処理、最終規定等、分野横断的に大きな影響があるとされている。

ともすれば、私たちが自分の国と地域を守り、発展させていくための様々な取り組みや自治をも崩されていく危険性があると感じる。
国民・国家が規定する枠組みやルールが障害とみなされる可能性があるからだ。
多国籍企業や投資家の利益のためのグローバリズムは、地方自治と必ずしも合致しないのではないだろうか。

そこで、質問する。

i. 地域振興政策を含む公共事業・まちづくり等について

TPPはあらゆる参入障壁を撤廃するものだ。地域産業振興の方針によってそれを妨害すると、
ISD条項(Investor-State Dispute Settlement)によって企業や投資家から国が訴えられ、
その結果は法律よりも優位に立つ。

第17章国有事業(公有事業)においては、
「全ての締約国は自国の国有事業に対して直接・間接的に提供する非商業的な援助によって、
他の締約国の利益に悪影響を及ぼしてはならない」とされている。
(非商業的な援助とは、贈与・または商業的な貸付によりも有利な条件で貸し付ける場合、信用保証と訳されている。)

つまり、これまでは国、もしくは自治体に権力の行使と思われてきた分野、
国有事業(公有事業)、公共調達まで自由化され、外資系の企業が参入できるようになる。
それにより、国の政治の専権事項、地方自治体の外郭団体、独立行政法人、第三セクターなどを
通してなされてきた行政上のサービスについても市場開放し、民営化するものである。
これには、東京メトロ、都営・都営バス、都立病院・市立病院なども含まれると言われている。

また、第9章の投資では9条、10条において「ローカルコンテンツ規制を禁止する」とあり、
一定の水準または現地調達を達成すること、自国の領域において生産された物品を購入し、
利用し、もしくは優先し、または自国の領域内者から物品を購入することに厳しい規制をしている。

第15章公共調達において、国・自治体・政府機関による建設、
土木事業なども原則として外資を含めて公開入札になり、自治体は英語と日本語で、
電子的手段において手続きを進めなくてはならず、入札者の過去の実績の考慮も貿易の障害とされる、とある。
また、通商貿易協定では初めて、公共調達に談合などがあれば、刑事罰に処されるとある。

平成24年10月、山田正彦衆議院議員(当時。元農水大臣、弁護士)が
政府に対した「地方自治体への影響は。」という質問に対し、
「懸念事項として、公共調達は英語と自国語で行わなければならないので、小さな市町村においては負担が重くなる。」
という回答を得ている。

このように、地方自治体における地域振興政策や、
様々な仕組みまでもが大きく制約されることが懸念されている。

1. 本市の公共事業発注はどのような考えの元、行われてきたか。
入札において、価格以外の他材料としてあげられるものは何か、伺う。

2. 過去5年間の市内中小企業者への発注状況の推移と、その割合について伺う。

3. 地域経済振興や地方自治の取り組みとして行ってきたもので、
武蔵境駅前の公民連携PPP事業、大型店立地の際の協定文書、雇用に関する規定や事業者優先などがある。
今後TPP等によって、「内国民待遇」「非商業的な援助」「ローカルコンテンツ規制」など、
参入障壁とみなされる可能性のあるものはどのようなものがあるか、それぞれ伺う。

ii. 財政援助出資団体等、補助金を出している事業者及び事例について

地方自治体が抱える第三セクターや直営の施設等も、
先に述べた「内国民待遇」「非商業的な援助」「ローカルコンテンツ」等が規制されることが懸念されている。
先に述べたように、第15章公共調達に関し、今まで国や自治体が自国や地元の業者からの調達を優先してきていることに対し、
今後は平等な条件で英語と日本語で電子的手続きによる公開入札をしなければならないとされている。

すでに韓国では、米国との自由貿易協定(米韓FTA)において、様々な影響が出ている。
韓国政府が導入を決定していたエコカー補助金についても、
「米韓FTAが禁止する『貿易の技術的障害』 にあたる可能性がある」として、導入が延期された。
これは米国のメーカーでつくる自動車政策会議が出した意見書の要求によるものだ。

1. 本市における財政援助出資団体等補助金を出している団体にはどのようなものがあるか伺う。
また、それらへの考え方と今後の展望について伺う。

2. 高齢者福祉分野と子ども子育て分野において、本市が事業者や委託先等を選定する際に大切にしているものは何か伺う。

3. TPP第17章「国有企業及び指定独占企業」において、
「地方政府が所有し、または支配している国有企業等」に関わる規定があるが、本市においてはどのようなものが対象になるとお考えか、伺う。

4. 様々なガイドラインで調整し、補助金も出すことで地方自治体の必要なサービス提供や、
住民生活のセーフティネットとしての役割を担ってきたものさえも参入障壁とみなされる可能性がある。
子ども協会や子ども関連事業者に対しての補助金等、本市において対象と想定されるものにはどのようなものがあるか伺う。

5. 4.と同じく、福祉公社や社会福祉法人むさしのをはじめとする福祉分野において、
同じく参入障壁の対象とみなされる可能性のあるものはどのようなものがあるか伺う。

iii. 遺伝子組み換え食品、給食等、食の安全について

政府は、食の安全について、日本の制度変更を必要路する規定は設けられていないので、
遺伝子組み替え食品等、食の安全が脅かさせることはないと説明している。

アメリカのFDA(食品衛生管理局)はすでに遺伝子組み替え鮭・通称フランケンフィッシュを食用として許可をしたが、
米国民200万人の反対パブリックコメントと、ウォルマート以外のスーパー8000店の販売拒否など不安が広がっているという。

しかし、第2章には「遺伝子組み換え農産物の貿易の中断を回避し、新規承認を促進する」と明記されている。
これまで日本は、遺伝子組み換え食品は原則輸入禁止し、JAS法で遺伝子組み換え表示義務を課してきたが、
それができなくなる懸念がある。また、食の安全における「予防原則」は科学主義により因果関係を立証しない限り、
厳しい規制は利益を損なうとされる可能性が高いとされている。その上、安全性評価の手続きは利害関係者も含めなければならない。

このほかにも、強制規格の受け入れ、産地表示の禁止、食品添加物、
残留農薬の基準が大幅に緩和されることの懸念されている。
米韓FTAにおいては、韓国では「身土不二」の考えのもと、
地元の食材を優先的に使う条例が各地で設けられているが、この条例はISD条項に抵触する可能性があるとして、
韓国政府は各自治体に条例の変更を命じた。

1. 本市の給食において、市内産野菜使用率はどのくらいか。

2. 本市は給食の食の安全、食育において大変力を入れていることが内外に高く評価されている。
給食食材の調達において、どのような食材、調味料を使用しているか、伺う。

3. 本市は一般財団法人給食食育振興財団に給食を委託しているが、
成り立ちの経緯と運営費における補助金の割合を伺う。

4. 本市の学校給食に限らず、市役所食堂等も含めた食材調達において、
韓国同様にISD条項に抵触となる可能性があるものはどのくらいあるか、伺う。

iv. 地方自治体がするべき対策について

1. 地域経済を担ってきたのは、地元企業であり、住民たちであり、今後もそうあるべきだと考える。
TPP発効もしくはさらに厳しい条件になると懸念される2国間協議に備え、
地方自治体はその危険性や懸念についてしっかりと認識しなければならないと考える。
応訴体制の整備等も含めた、地域経済と地方自治を守るための対策を練るべきだと考えるが市長の見解を伺う。
また、必要によっては地方自治体同士の連携・連帯もするべきだと考えるが、いかがか。

2. 今後も地域の仕事や住民の暮らしを守る備えとして、地産地消や地域振興への取り組みや、
そういった地域づくりをより一層推進していくべきだと考える。今後の本市の方針と展望を伺う。

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